亀田3兄弟が勝訴「亀田家“悪の化身”じゃない」 JBCに4550万円賠償命じる

 日本ボクシングコミッション(JBC)による亀田ジム会長らの不当な処分で国内試合ができなくなったとして、元世界王者の亀田興毅氏(33)ら3兄弟側が、JBCと秋山弘志理事長らに総額約6億6400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は1月31日、「処分は裁量権を逸脱して違法」として計4550万円の支払いを命じた。会見に臨んだ興毅氏はJBCの処分に非を認めた内容には納得しておらず「当時関わった関係者が変わらないとボクシング界も変わらない」とJBCの体制刷新を求めた。

 リング外での戦いにひとまず決着した。判決によると、13年12月に3兄弟の次男大毅氏が2団体統一戦に臨んだ際に、王座を巡り混乱が発生。JBCは「亀田ジムのマネジャーが記者会見でJBCの信用を損ねた」として、14年2月に会長とマネジャーの資格更新を認めない処分をした。これにより、3兄弟は国内で試合ができなくなった。

 判決では「混乱した状況の中、マネジャーは正確な情報を発表しており、JBCを中傷していない。信用が傷ついたとすれば、ルールを十分に確認しなかったJBC自身に原因がある」と指摘。その上で、資格があれば3兄弟は14年に1試合ずつ行うことができたとし、前年のファイトマネーを基準に賠償額を決めた。慰謝料請求は退けた。

 3兄弟側代理人の北村晴男弁護士はJBCが過去の裁判で敗訴した例を挙げ、「JBCの違法行為が主張通り認められたのは大きい。違法行為を繰り返す組織は自浄作用がないのは明らか。組織の抜本的な改革が最も期待されるところで、それが訴訟を遂行した最大の目的」と説明。また「勝訴と考えている」との考えを示し、控訴は「これから考える」と話した。

 興毅氏も「責任のある方が辞任することが、改革に向けて何よりも重要なこと。信頼回復の第一歩」と、JBCの秋山理事長、当時の事務局長代行の浦谷伸彰理事の退陣を要求。また、「ここまで長かった。思い出したくもない苦しい時」と振り返り、一瞬声を詰まらせる場面もあった。一番つらかったことは「経済的困窮」だったといい、「亀田家は『悪の化身』のように思われている。そこまで悪い人間じゃないですよということを言っておきたい」と訴えた。

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