田中恒成V3 左アッパー連発!自己最短3回圧巻KO 20年いざ4階級制覇!

 「ボクシング・WBO世界フライ級タイトルマッチ」(31日、大田区総合体育館)

 世界3階級を制したフライ級王者の田中恒成(24)=畑中=は同級10位ウラン・トロハツ(中国)に3回KO勝ちし、3度目の防衛成功。陣営は試合後、20年中の4階級制覇挑戦を明言した。

 決着は早々に訪れた。距離を詰めた田中が左アッパー2連発でトロハツの顎を跳ね上げた。この試合最初のダウン。挑戦者は仰向けのまま、うつろな表情で10カウントを聞いた。3回2分29秒。世界戦では自己最短KOに「地に足を着けて打てた。手応えはあった」と充実感を漂わせた。

 苦い経験を糧にした。8月のV2戦は試合3週間前に風邪をひくなど調整に失敗。畑中会長からは王者としての自覚を求められ、たしなめられた。自炊に挑戦するなど食事管理を見直し、苦手な減量を10キロ以内に抑えた。「10キロ以上走らなかった」というロードワークの距離も伸ばした。

 「みんなやってることを、やっとやれるようになっただけ」と控えめだが、圧勝の要因に「自覚」を挙げたほど。苦手だった地道な積み重ねが、王者を裏切ることはなかった。

 東京で試合を行うのは14年10月のデビュー4戦目以来約5年ぶりで世界戦は自身初だった。首都に「田中恒成」の名を知らしめ、新たな局面に踏み出す。

 王者は「20年のどこかで、というのはある」。畑中会長も「来年中には4階級目に向かいたい」と、階級をスーパーフライ級に上げ、日本男子2人目の4階級制覇に挑むことを明言した。WBO王者にはこの日、初防衛に成功した井岡一翔が君臨している。昨年12月のWBO総会ではバルカルセル会長が「井岡VS田中」の実現を後押しする発言をしており、ビッグマッチへの期待は膨らむばかりだ。

 「負けを乗り越えるのか勝ち続けるのか、どんな形でもいいから一皮むけた『田中恒成』になりたい。変化を起こしたい。本当に強くなりたい」と言葉を結んだ。さらなる高みへの渇望を、王者は隠さなかった。

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