“50戦無敗の男”メイウェザー完勝も謙虚「戦績、記録に影響なし。天心くんも無敗の王」

不敵に笑みを浮かべるフロイド・メイウェザー
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 「RIZIN.14」(31日、さいたまスーパーアリーナ)

 “50戦無敗の男”ボクシングの元世界5階級王者のフロイド・メイウェザー・ジュニア(41)=米国=と、キックボクシング28戦全勝の“神童”那須川天心(20)=TARGET=の3分3回によるスペシャルエキシビションが行われ、1回2分19秒TKOでメイウェザーが圧倒的な力を見せつけた。

 最初は、子供をあやすかのように笑いながら、おちょくったように腕を前に出すだけのパンチとは言えないような動きを見せたメイウェザー。これにすばやい動きから那須川がパンチを当てると、メイウェザーにスイッチが入った。

 体格差、パワーの違いで押し込まれてからのパンチで1度目のダウンを奪われる。さらに立て続けにダウンを奪われ、よろめきながら那須川が立ち上がったところで試合が止められた。実績、体重差、キャリアの差、ボクシングルールと、やはり超えられない壁、埋めがたい溝が2人の間にはあった。

 リング上のインタビューでは「とにかく言いたいことは日本の皆さん、東京、素晴らしい。本当にありがとう。私としてはエンターテインメント性、楽しんでもらえる試合を意識しました。それを実現できたことをうれしく思います。神に感謝したい。このイベントに起用してくれた全ての人に感謝したい」と、上機嫌。「対戦相手となってくれた那須川天心選手に心から感謝の言葉を伝えたい。スーパーエキシビションとして皆さんに楽しんでもらう試合を意識した。戦績、記録には影響しない。天心くんも無敗の王です。自分は引退した立場ですので、これはこれからも変わりません」と那須川を持ち上げていた。

 一度、開催を発表しながら、すぐにメイウェザーがSNSで中止を表明するなど紆余(うよ)曲折を経て、この日を迎えた。試合はルールの詳細が当日まで決まらないというゴタゴタが続き、メイウェザーが10オンス、那須川が8オンスのグローブを着用することで4・6キロの体重差があることのハンディとすることで合意した。

 しかし、その後もメイウェザーの“俺様ぶり”は続いた。各選手が顔を見せた大会全体のオープニングセレモニーは、当然のように欠席。大会本部がメイウェザーの会場入りを発表したのは午後9時半ごろだった。この時に「先ほど、会場入りしました」という表現が用いられたことから、試合開始の1時間半から2時間前に悠然と到着したことになる。

 メイウェザーは自身のインスタグラムに9分間(3ラウンドの意味)で900万ドル(約9億9000万円)を得ることを意味するメッセージを書き込んでいた。この金額が正確なら、実際には3分足らずで900万ドルを稼いだことになる。

 試合後、那須川に「頭を高く保って今後歩むように」と声をかけたと明かしたメイウェザー。「RIZIN、ここにお集まりの皆さん。本当にナンバーワン、世界最高の皆さんです。ありがとうございました」と述べると、大歓声の中、悠然とリングを後にした。敗れた那須川は、陣営に抱えられ、涙ながらに引き揚げた。

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