「総合格闘技・ＲＩＺＩＮ」（２９日、さいたまスーパーアリーナ）

　大会開始前に会見が開かれ、９５キロ契約ＭＭＡ（総合格闘技）ルール３分３回戦で行われる予定だったプロレスラーの神取忍（５３）＝ＬＬＰＷ－Ｘ＝と“世界最強女柔術家”ギャビ・ガルシア（３２）＝ブラジル＝の対戦を中止し、近い将来の対戦の機会を模索すると発表した。ギャビが２８日の前日計量で１０７・７キロと１２キロ以上も超過し、７３・７５キロだった神取との体重差が３０キロ以上となったため、安全面などを考慮し、実施の可否について協議していた。

　ＲＩＺＩＮの榊原信行実行委員長は会見で「神取選手は、体重差関係なく人生かけて準備をしたし、総合格闘技はこれが最後と不退転の決意で臨んだが、残念ながらギャビ選手が１２・７キロもの体重オーバー。非常識な組み合わせになるので、苦渋の決断をさせていただきました」と説明。神取選手には「主催者としての力不足を含めて心から謝罪します」と頭を下げた。

　また、ギャビを強く非難していたが、前日に聞き取りを行った結果、「いつも通りのルーティーンで９５キロを作れるということでスタートしたが、これまで落とせた体重が落ちない。血圧も高くなったり女性独特の問題も含めて、苦しんで回りに直前まで言えなかった。決して怠慢ではないことは分かってきた」と一定の理解を示した。

　そして、「近い将来、この２人がベストのタイミングでやれる機会を模索したい」との意向も示した。