王座返上の井岡、大みそかマッチは6年連続でストップ…BOX参入輝く決戦の軌跡
ボクシングWBA世界フライ級王者の井岡一翔(28)=井岡=が保持していた王座を返上したことが9日、明らかになった。大阪市内で会見を行った、井岡の父で所属ジムの一法会長(50)が発表した。
11年から続いていた大みそかの試合も6年連続でストップ。井岡との対戦を熱望していたWBC世界フライ級王者・比嘉大吾(22)=白井・具志堅=との統一戦実現も絶望的となった。
かつて総合格闘技やK-1が定番にしていた大みそかの試合に、ボクシングが参入するようになったのが2011年。同年2月に当時日本最短となるデビュー7戦目で世界王座を獲得したWBC世界ミニマム級王者・井岡一翔(井岡)を主役に据え、TBSが生中継に乗り出した。同局の大みそか決戦は以後6年連続で続いており、3階級を制覇した井岡の歩みそのものでもあった。
井岡は大みそかでは6戦全勝(5KO)。勝利を飾った年の瀬のリングからファンへ「少し早いですが、ハッピーニューイヤー!」と絶叫することが恒例となっていた。
【井岡一翔大みそか決戦の軌跡】
◆11年 大阪府立体育会館
WBC世界ミニマム級タイトルマッチ ○TKO1回 ヨードグン・トーチャルンチャイ(タイ)
初の大みそか登場では衝撃の98秒KO勝ち。WBCミニマム級王座の2度目の防衛に成功した。
◆12年 ボディメーカーコロシアム
WBA世界ライトフライ級王座決定戦 ○TKO6回 ホセ・ロドリゲス(メキシコ) ミニマム級王座を返上し、空位のWBAライトフライ級王座を同級5位のロドリゲスと争う。初回からダウンを奪うと、6回に右ストレートで沈め、当時の国内最短記録となる11戦目での2階級制覇を達成した。
◆13年 ボディメーカーコロシアム
WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ ○判定 フェリックス・アルバラード(ニカラグア)
同級1位のアルバラードとの打撃戦を3-0の判定で制し3度目の防衛に成功。応援に駆け付けた阪神・西岡剛内野手にリング上から感謝を述べ、阪神の決めポーズ「グラティ」で会場を盛り上げた。
◆14年 ボディメーカーコロシアム
ノンタイトル10回戦 ○KO5回 ジャン・ピエロ・ペレス(ベネズエラ)
5月に3階級制覇を狙いIBF世界フライ級王者のアムナト・ルエンロン(タイ)に挑むも判定で敗れ、初黒星を喫した井岡。9月に再起するが、交渉がまとまらずこの年はノンタイトル戦になった。右ストレートでKOし、3階級制覇への夢をつなぐ。
◆15年 エディオンアリーナ大阪
WBA世界フライ級タイトルマッチ ○TKO11回 フアンカルロス・レベコ(アルゼンチン)
4月に僅差の判定で王座を奪ったレベコとのリマッチ。11回にボディー連打で沈め、完全決着で2度目の防衛に成功した。
◆16年 島津アリーナ京都
WBA世界フライ級王座統一戦 ○TKO7回 スタンプ・キャットニワット(タイ)
5年続いた大阪から舞台を京都に移しての決戦。暫定王座スタンプとの団体内王座統一戦では2回に右フックをもらいダウンを喫したが、慌てることなく立て直し、7回にボディー連打で沈めた。4度目の防衛に成功するとともに王座を統一。