福原 激闘制してWBO暫定王者に 熊本のジムから初の世界王者

 「ボクシング・WBO世界ミニマム級暫定王座決定戦」(26日、松島総合センター)

 熊本市出身で同級2位の福原辰弥(27)=本田フィットネス=が同級1位のモイセス・カジェロス(27)=メキシコ=に2-1で判定勝ちし、新王者となった。戦績は29戦19勝(7KO)4敗6分け。主催者によると熊本での世界戦開催は1984年以来、33年ぶり。熊本のジムから初の世界王者が誕生し、日本のジム所属の男子世界王者は10人となった。

 勝ち名乗りを受けても、福原には笑顔も、涙も、勝利の叫びもなかった。被災をまぬがれた上天草市の体育館が響く大歓声と裏腹に、荒い息を吐きながら無表情に左拳を上げる。一進一退の打ち合いをフルラウンド続けた末の2-1判定勝ち。

 「相手はパワーもあって気持ちも強くて、だめかと思う瞬間もあったんですが応援のおかげで立っていることができました」

 最後の最後まで力を出し切る激戦だった。

 昨年4月の熊本地震の瞬間は、熊本市内の自宅にいた。1週間近く避難所や公園での車中泊生活が続いたにもかかわらず、自宅へ戻ると、すぐに練習を再開。必ず世界チャンピオンになるという決意とともに、半壊した熊本城を横目にロードワークを重ねた。勝因のスタミナはそんな日々で培われたものだ。

 「熊本に明るいニュースと届けたかった。これからも防衛を重ねて、もっといいニュースを届けたいと思います」。福原は、これからも戦い続ける。

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