山中、仮想モレノと最多の10Rスパー
「WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(9月22日、大田区総合体育館)
9度目の防衛戦に臨むボクシングのWBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)が27日、都内のジムで今回最多の10ラウンドのスパーリングを行った。挑戦者で同級3位のアンセルモ・モレノ(パナマ)を措定したサウスポーのフィリピン人2人相手に、戦略色の濃いボクシングを展開した。
特に1人目のタバレスは、半身の構え方などがモレノ似で、右のガードを狙い左ストレートを打ち込んでいった。途中、タバレスは何度も顔をしかめてみせ、作戦の有効さを裏付けた。
逆にセコンドの大和心トレーナーからは何度もディフェンス面の甘さを指摘された。山中は「ガードを固めてパンチにつなげられないのは前からあった。打ち終わりに打てないのが分かったのも勉強になった」と収穫ととらえた。もちろん、本番までには修正する。
ディフェンス巧者で、一筋縄ではいかない前WBA同級スーパー王者に対し、戦略イメージはある程度できつつある。
「自分とモレノの距離になるとストレート中心になる。その以外のパンチを少しでも出せるよう工夫している。左ストレートを打った後の、返しの右アッパーかな。実戦の中からつかもうとしている」と、「ゴッドレフト」プラスアルファを予告した。