恒成5戦目で天下!日本最速世界王者

 「WBO世界ミニマム級王座決定戦」(30日、パークアリーナ小牧)

 “尾張の怪物”田中恒成(19)=畑中=が日本選手最速のプロ5戦目で世界王座を獲得した。強打のフリアン・イエドラス(27)=メキシコ=に判定3-0で圧勝。井上尚弥の6戦目を塗り替え、世界でも4位のスピード記録を達成した。中京大2年、現役大学生の新スターが誕生した。

 最終12回前、恒成は「そろそろ行ってくる」とセコンドに余裕を見せた。大歓声の中、勝利を確信したトリッキーな動きで飛び跳ね相手を手玉に取り、最後まで観客を沸かせた。

 判定3-0の圧勝劇。日本最速記録を塗り替えた新王者はリング上で「最高の応援に幸せです。皆さんのおかげと僕のおかげです」とおどけて笑った。

 2回、ガードの隙間から右ストレート。3回も左ボディーでぐらつかせた。中盤は「打ち合ったらどうかな」と自慢のスピードを抑え、打撃の応酬。終盤まで攻め抜いた。

 恩師の12年越しとなる無念の思いを足に込めた。元東洋太平洋王者の中京高の石原英康監督(39)は04年5月16日、初の世界戦に臨み11回に逆転TKO負け。その時のリングシューズを恒成は高校時代に託された。

 「履くのはアマで日本一になって以来。世界戦が決まってから決めていた。このシューズでリベンジの気持ちだった」と恩返しがしたかった。

 11回、「石原先生が倒されたラウンド。怖いな」と嫌な思いが脳裏をよぎったが、先生が得意だった左ストレート、先生に教わった右ストレートを繰り出し、乗り越えた。

 父でトレーナーの斉(ひとし)さんは柔道、空手の黒帯で腕相撲の日本一。2歳上の兄・亮明はボクシングのリオ五輪候補。格闘一家の血に加え、指導者が口をそろえるのが「考える天才」だ。

 幼少より空手、小5から始めたボクシングでも練習法などをノートに毎日記入。父は「恒成は緻密な野村ID」とプロ野球の名将・野村克也氏に例え、石原監督は「理論で言わないと納得しない」と語る。畑中清詞会長は能力に全幅の信頼を置き、最速記録のプロデュースに徹した。

 リング下にはIBF王者・高山勝成が見守った。王座統一戦は既定路線。「高山さんも自分も望むなら実現する」と応えた。織田信長が居城を築いた小牧で19歳が天下取り。尾張の怪物伝説は、ここからが幕開けだ。

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