八重樫、惨敗…進退については明言せず
「WBC世界ライトフライ級王座決定戦」(30日、東京体育館)
日本人2人目の世界3階級制覇に挑んだ八重樫東(31)=大橋=はペドロ・ゲバラ(25)=メキシコ=に7回KO負け。試合後、進退については明言を避けた。
信じられない光景だった。数々の強豪と激闘を繰り広げた八重樫が一撃で沈没。フライ級から1階級下げて挑んだ亀田興毅に続く日本人2人目の世界3階級制覇は夢と消えた。
開始から積極的に前に出たが、ゲバラの変則的で長いパンチに勢いを止められる。そして迎えた7回の終盤、ゲバラのカウンター気味の左ボディーが右わき腹にヒット。八重樫は苦悶(くもん)の表情を浮かべて座り込み、そのまま10カウントを聞いた。
不運もあった。4回終了時の公開採点で2者が39-37で八重樫リードと伝えられたが、5回終了時にゲバラのリードと訂正。大橋会長は試合後、「あれで焦って前へ出てペースが狂った」と不満をぶちまけた。
試合後の八重樫は「世の中そんなに甘くない。試合、減量、調整を含めて自分の力不足」とさばさばした表情。今後については「やりたいとも思うし、やっていいのかなとも思う。とりあえず、休みます」と、引退か現役続行か、迷える胸中を明かした。