井上、強すぎて相手候補に逃げられた

 ボクシングの大橋ジムは14日、アマチュア7冠のルーキー、日本ライトフライ級6位の井上尚弥(19)が、来年1月5日の主催興行(後楽園ホール)におけるデビュー2戦目で、タイ・ライトフライ級王者ガオプラチャン・チューワッタナ(タイ)と50キロ契約8回戦で対戦すると発表した。当初は世界ランカーとの対決が予定されていたものの、井上が強すぎることで、3人に断られていたことが判明した。

 “怪物”が、世界ランカーを次々と敵前逃亡させた。井上の2戦目の相手は、タイ国内王者ガオプラチャンに落ち着いた。難航の末、数日前に決定。ジムの大橋秀行会長は、「強すぎて、避けられた」と説明した。

 井上は10月2日のデビュー戦で、東洋ランカー相手に4回KO勝利。大橋会長は2戦目に世界ランカーとの対戦を計画し、3人にオファーを出したが、すべて断られた。1人とは対戦が決まったものの、交渉人が動画投稿サイト「You Tube」でデビュー戦をチェック。あまりの強さに、「これはダメだ」とキャンセルしたという。

 井上は相手について「映像はほとんど見ていないが、自分のボクシングをすれば問題ない」と自信を見せた。さらに「誰からも文句を言われない勝ち方をしたい」と完勝を宣言した。

 日本最短記録となる6戦目での世界奪取が期待されている。大橋会長は「こだわってはいないが、この勢いならあるかも」と可能性を示唆。来年に日本ボクシングコミッション(JBC)が国際ボクシング連盟(IBF)、世界ボクシング機構(WBO)を公認する見通しで、世界挑戦の資格を世界、東洋、日本の王者経験者などに限る内規が定められる。

 井上が世界に挑戦するためには王座が必要となる。もっとも、大橋会長は「日本王者は挑戦を受けてくれないと思うので、世界ランカーになって、指名挑戦者にならないと。3、4戦目で世界ランクを獲りたい」と見通しを語った。その上で「記録ずくめで、IBF、WBOの世界を狙うのも面白い」との考えも明かした。

 井上は「来年は4、5試合やりたい」と明言。そのペースで試合をこなすと、来年にも“世界王者・井上”が誕生する!?

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