頂点を知る兄と、その背中を追い越そうとする弟。雪煙を巻き上げ、空へと舞う2人の視線の先には、まだ見ぬ夢の景色が広がっている。目指すは、4年後の五輪で兄弟そろっての表彰台。憧れはいつしかライバル心に変わり、互いを高め合う力になる。譲れない夢が、白銀の世界で再び動き始める。

スノーボードの新シーズンに向け意欲を語った木村葵来(右)と弟の悠斗=19日、東京都北区
スノーボードの新シーズンに向け意欲を語った木村葵来(右)と弟の悠斗=19日、東京都北区

 スノーボードのビッグエアの今季ワールドカップ(W杯)開幕まで1カ月を切った。今年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪で男子覇者の22歳、木村葵来(JSSG)と、4学年下の弟で有望株の悠斗(ヨネックス)は「次は一緒に五輪に出てメダルを」と声をそろえ、2030年大会に向けて再出発する。

スノーボードの全日本選手権男子ビッグエアで優勝した木村悠斗=2月、星野リゾートネコママウンテン
スノーボードの全日本選手権男子ビッグエアで優勝した木村悠斗=2月、星野リゾートネコママウンテン

 兄の背中を追って7歳から競技を始めた弟は、昨季からW杯を転戦。逆転でのミラノ・コルティナ大会代表入りを懸けて戦ったが「いざ出てみたら自分が思っていた世界と全然違って、うまくいかなかった」。会場ごとの特性に合わせるのに苦戦したといい、悔しさを味わった。

 ただ、金メダリストの兄が「全てが自分よりうまい」と認めるように、総合滑走力が問われるスロープスタイルのW杯では、2位に入って力を示した。ビッグエアでより好成績を残す日本勢の中でも貴重な存在。自信を深め「スロープでも日本人がやれる、というのを世界に伝えたい」と闘志を燃やす。

始球式に登場した木村葵来
始球式に登場した木村葵来

金メダリスト葵来vs阪神・近本
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