頂点を知る兄と、その背中を追い越そうとする弟。雪煙を巻き上げ、空へと舞う2人の視線の先には、まだ見ぬ夢の景色が広がっている。目指すは、4年後の五輪で兄弟そろっての表彰台。憧れはいつしかライバル心に変わり、互いを高め合う力になる。譲れない夢が、白銀の世界で再び動き始める。
スノーボードのビッグエアの今季ワールドカップ(W杯)開幕まで1カ月を切った。今年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪で男子覇者の22歳、木村葵来(JSSG)と、4学年下の弟で有望株の悠斗(ヨネックス)は「次は一緒に五輪に出てメダルを」と声をそろえ、2030年大会に向けて再出発する。
兄の背中を追って7歳から競技を始めた弟は、昨季からW杯を転戦。逆転でのミラノ・コルティナ大会代表入りを懸けて戦ったが「いざ出てみたら自分が思っていた世界と全然違って、うまくいかなかった」。会場ごとの特性に合わせるのに苦戦したといい、悔しさを味わった。
ただ、金メダリストの兄が「全てが自分よりうまい」と認めるように、総合滑走力が問われるスロープスタイルのW杯では、2位に入って力を示した。ビッグエアでより好成績を残す日本勢の中でも貴重な存在。自信を深め「スロープでも日本人がやれる、というのを世界に伝えたい」と闘志を燃やす。









