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能見×岡田彰布氏(2)点を取られないピッチャーが一番助かる

 岡田氏の問いかけに、今季への意気込みを語る能見
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 阪神・能見篤史投手(38)がデイリースポーツ評論家で元阪神監督の岡田彰布氏のインタビューに応じた。岡田氏の監督就任1年目、04年度ドラフト自由枠で入団。長年、エースとしてマウンドに上がり続け、阪神投手陣の精神的支柱としてもチームを支えてきた。入団当初の思い出を交えた足跡、そして現状、さらには将来にわたるまで存分に語り合った。

  ◇  ◇

 -今年もだが、まずは直球だけの調整から始まる、というのが能見投手のルーティン?

 能見「そうです。真っすぐを投げるというのが、実は一番しんどいんです。まずはそこをやっていく。変化球ばかり投げていたら、真っすぐがおろそかになるし、結局は真っすぐが良くなければ、変化球も効いてこないですから」

 岡田「また、能見は投げ方がいいからたくさん投げることができる。真っすぐを100球でも200球でも投げられるよな。若いピッチャーで、100も投げないのもいるから」

 能見「確かにいます」

 岡田「昔、広島のピッチャーが良かった時は、キャンプでは試合で投げる数の倍はピッチングをする、という話を聞いたことがあるよ」

 能見「やっぱり、一定数以上の練習は必要だと思います」

 -能見投手は岡田さんが監督初年度、4位に終わった直後のドラフトでの入団。

 岡田「左の先発が少なかったからなあ。下柳、井川くらいか」

 能見「開幕3戦目に使っていただいて“ド緊張”しました」

 岡田「先発ピッチャーやった(高井)雄平にホームラン、バックスクリーンに打たれたなあ」

 能見「初被安打が、ホームランでしたね」

 岡田「でも最初にポンポンと勝ったんやないか?」

 能見「5月までに2勝しました」

 岡田「そこからアカンようになってしまった」

 能見「全然、ダメでしたね」

 岡田「(能見が所属していた)大阪ガスに聞いてみたら例年、都市対抗に備えてミニキャンプを張るのが6月で、その時期は全然投げないらしい。7年間、社会人で染みついたリズムがあるんよなあ」

 能見「ドラフトで指名していただいて、辛抱強く投げさせていただいて、でも期待に応えられなかったという思いは今もあります」

 岡田「辛抱強くというか、先発のメンバーを決めて、あとは中5日、中6日できちっと回していくという戦いができたら楽やから」

 -その左投手不足の解消に、能見投手が貢献した側面もある。

 岡田「下柳、井川か。井川はもう『アメリカに行きたい』って言うてたしなあ」

 能見「井川はしっかりしてましたね。プレーもそうです。僕は1度だけ200イニングを超えたことがある(11年、200回1/3)んですけど、井川は僕が入団する前まで3年連続で200イニングをやってました。これはとてつもないことですよ」

 岡田「ほんまにすごいことよ。チームが年間1400イニングぐらい戦うとして、その七分の一を1人で担うんやから」

 能見「200、というのは大変な数字ですね」

 -能見投手は、年齢的にこの先のキャリアなど考えている?

 能見「イメージはしてません。体が動かなくなったら終わりかな、というくらいですね」

 岡田「まだいけるよなあ。2、3年は大丈夫やと思うよ。ただ、これまでと違った工夫はいるかな。江夏さんがよく言ってたけど、左ピッチャーの生命線は右バッターの、アウトローへのコントロール。例えば初球、そこを待つバッターはおらんから、そのコントロールさえよかったら、簡単に1ストライク取れるから」

 能見「難しいですけどね。ちょっと甘くなったら、いかれる怖さがあります」

 岡田「入ってくる球は狙われやすいけどね。そう言えば巨人が、能見の低めの変化球に手を出さん時期があったな」

 能見「急に振らなくなりましたね。気持ちが悪い思いをしたことがあります」

 岡田「巨人にだけ、分かってるんかなあ」

 能見「はっきりと原因は分かりませんが『低めは振るな』という徹底と、カウントデータもあるのかも。外国人選手は振ってましたから」

 岡田「向こうは能見のコントロールがいいと思ってるから、絞りやすいというのはある。コントロールが良すぎて、狙われているというのか。甘い球は来ないけど、絞りやすい面はあるかな」

 能見「デッドボールが少ないので、そう見られるんですかね」

 岡田「さっきの話の繰り返しみたいになるけど、メリハリよ。例えばオレがオリックスの監督してた時、ダルビッシュ相手に一塁ランナーが出ても、バントをせんかった。ランナーがセカンドに行ったら、急にピッチが上がって絶対に打てんから、一塁にいさせて、エンドランを使う、とかね。メリハリのあるピッチャーは、そうやって相手にもいろいろ考えさせる」

 能見「いくら打たれても、点を取られないピッチャー、というのは確かにチームとしては一番助かりますよね」

 岡田「そういう工夫をして、10勝3敗。それでええんちゃうかな」

 能見「3敗、というのは難しいかも知れませんが」

 岡田「でも10勝すれば、球団も『辞めろ』とはならんから、続けられるよ。誰か、柱となるピッチャーが15勝くらいする。能見が10勝して貯金を5つから7つ作る。そういう形ができたらええよな。よく投げてきたから、本当にまだ続けられるピッチャーやと思うからな」

 能見「岡田監督時代のブルペンが、一番しんどかったですね。ノルマが1500球でしたから」

 岡田「久保田なんか3000球投げてた。井川も。ブルペン終わってネットピッチもしてた。球数投げんやつは計算できんから」

 能見「僕も2000は超えました」

 岡田「投げれるピッチャーが、勝てるんよ。頑張って」

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