【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】人生100年時代、現実を認めた上でその年齢ならではの魅力を磨く
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】 45歳になり、心と体の「ギャップ」に悩んでいます。自分では若々しくいるつもりで服装等にも気を使っていますが、先日、通勤電車で女子高生のグループが私をチラチラ見ながら「あの若作り、痛くない?」「似合ってない」とささやき合っている声を拾ってしまいました。さらに居酒屋で「お父さん」と呼ばれたり、電車の窓に映る自分の顔のたるみにがくぜんとしたりと、ショックな出来事が続いています。中身は20代の頃と変わらないのに、外見の変化という現実が受け入れられません。どう折り合いをつければいいのでしょうか。
【回答】 文章を読んでいて、多くの40代、50代の男性が心のどこかで抱えている悩みだと感じました。おそらく皆、口には出さないだけで、一度は似たような経験をしているのではないでしょうか。女子高生たちの言葉は、正直きつかったと思います。たとえ悪気がなかったとしても、人の外見を値踏みするような言葉を耳にすれば傷つきます。「お父さん」と呼ばれたことも、電車の窓に映る自分の顔にショックを受けたことも、年齢を重ねた人間なら誰もが通る道かもしれません。
ただ、私がまずお伝えしたいのは、「中身は20代の頃と変わらない」と感じられること自体は、決して悪いことではないということです。年齢を重ねると、人は二つの落とし穴にはまりがちです。一つは「自分はまだ若い」と現実から目を背けること。もう一つは「もう歳だから」と何もかも諦めてしまうことです。
私は、そのどちらも違うと思っています。45歳は若者ではありません。しかし、決して老人でもありません。人生100年時代と言われる今、まだ折り返し地点にも届いていない年齢です。問題は若く見えるかどうかではなく、「どう歳を重ねるか」なのだと思います。
若作りと若々しさは似ているようで実は違います。若作りは過去にしがみつくことです。若々しさは今の自分を受け入れながら前を向くことです。20代と同じ服装を無理に続ける必要はありません。しかし、年齢を理由におしゃれを諦める必要もありません。大切なのは、「20代に見られたい」ではなく、「45歳として魅力的でありたい」という視点に切り替えることです。私自身も年齢を重ねる中で、若い頃と同じ体力ではないことを感じますし、鏡を見れば変化もあります。しかし、それを否定するより、「今の自分に何ができるか」を考えるようにしています。
経営も人生も同じですが、人は失ったものばかりを見ると苦しくなります。体力は落ちるかもしれない。でも経験は増えている。シワは増えるかもしれない。でも人を見る目は養われている。若さは減るかもしれない。でも人間としての厚みは増やせる。それが年齢を重ねる価値なのだと思います。
また、女子高生の言葉を真に受けすぎる必要もありません。高校生から見れば、30代も40代も50代も大差なく「大人」です。私たちも若い頃、年上の人を勝手にひとくくりに見ていたはずです。その評価を人生の基準にする必要はありません。むしろ気にするべきは、「自分が自分を好きでいられるか」ではないでしょうか。運動をする。姿勢を正す。清潔感を保つ。好きな服を着る。そうした努力は、若く見られるためではなく、自分らしく生きるために続ければいいと思います。
年齢を受け入れるというのは、諦めることではありません。現実を認めたうえで、その年齢ならではの魅力を磨くことです。45歳は、若さを失う年齢ではなく、大人としての魅力が育ち始める年齢でもあります。どうか女子高生の何げない一言に人生の価値を決められないでください。鏡の中にいるのは20代のあなたではありませんが、20代のあなたには持っていなかった経験や優しさや強さを手に入れたあなたです。
年齢を重ねることは失うことばかりではありません。そのことに気づけたとき、人は若さへの執着から解放され、もっと自然に、もっと格好良く生きられるのだと思います。
◆西村誠司(にしむら・せいじ)1970年生まれ、愛知県出身。「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数8万2000人。
