夫婦は「違う人間同士がどう共存するか」を考える関係 西村誠司氏の人生相談
【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】 30代女性、結婚3年目です。先日、夫が仕事の付き合いでキャバクラに行ったことを知りました。夫としては「接待の延長」くらいの感覚で、もちろん恋愛感情はないと言っています。ただ、私は昔から「キャバクラに行く=浮気派」の考えです。異性にお金を払って接客してもらうこと自体、どうしても受け入れられません。仕事上断れなかった夫の考えも理解できなくはないのですが、モヤモヤしたままです。今後も夫は会食等の流れでキャバクラに行く機会があると思うので、どう折り合いをつけるべきか悩んでいます。私は夫とどう向き合っていけば良いのでしょうか?また、西村社長は夫婦での価値観の違いを、奥さまとどのように話し合っていますか?
【回答】 ご相談ありがとうございます。ご主人がキャバクラに行ったことを知ってしまったときのモヤモヤ、とてもよく分かります。「仕事だから仕方ない」と頭では理解しようとしても、感情が追いつかない。特に、「キャバクラに行く=浮気に近い」という価値観をお持ちであれば、なおさら簡単には整理できないと思います。
まずお伝えしたいのは、あなたの感じている嫌悪感や不快感は、決して心が狭いからではないということです。男女関係や異性との距離感については、人によって価値観が大きく違います。「仕事の付き合いだから気にしない」という人もいれば、「お金を払って異性と接する場そのものが嫌だ」と感じる人もいる。どちらが正しい・間違っているではなく、単純に感覚の違いなんです。
一方で、ご主人も本当に「接待の延長」という感覚だった可能性は高いと思います。特に営業職や取引先との付き合いが多い仕事では、本人の意思というより場の流れで参加するケースもあります。もちろん、それであなたが傷つかないわけではありません。ただ、ご主人の中で「妻を裏切った」という認識と、「付き合いとしてその場にいた」という認識には、かなり差があるのだと思います。
ここで大事なのは、「キャバクラに行ったこと」そのものだけを責め続けるよりも、「自分は何が一番嫌だったのか」を整理することです。たとえば、・異性にお金を払う行為そのものが嫌なのか・隠されていたことが嫌なのか・自分の価値観を軽く扱われたように感じたのか・今後も続くかもしれないことが不安なのか。そこが見えてくると、話し合いの質が変わります。
夫婦の価値観の違いについて、私自身が大事にしているのは、「勝ち負けにしないこと」です。夫婦は、どちらが正しいかを決める関係ではなく、「違う人間同士がどう共存するか」を考える関係だと思っています。だから、「私はこう感じる」という気持ちは率直に伝えていい。ただし、「あなたは間違っている」という言い方になると、相手は防御に入ってしまいます。
今回で言えば、「仕事だと分かっていても、自分はこういう場所が苦手で、正直つらかった」という伝え方のほうが、ご主人も受け止めやすいはずです。そしてそのうえで、「今後もし行くことがあるなら、せめて事前に一言ほしい」「私の気持ちも理解してほしい」と、ルールではなくお願いとして話すことが大切だと思います。
また、現実的には、仕事上完全に断れない場面もあるかもしれません。だからこそ、「行った・行かない」だけで信頼を測るより、「その後どう向き合うか」のほうが、夫婦にとっては重要です。隠す、うそをつく、逆ギレする-。そういう対応でなければ、まだ十分に対話できる余地はあります。
結婚生活では、「価値観が違うこと」自体は避けられません。大切なのは、その違いが出たときに、お互いを否定せずに話し合えるかどうかです。今回のモヤモヤは、裏を返せば「夫婦としてちゃんと向き合いたい」という気持ちの表れでもあります。
焦って結論を出さなくて大丈夫です。感情を押し殺す必要もありません。ただ、相手を裁く方向ではなく、「自分はこう感じる」という形で対話を重ねていけば、少しずつ2人なりの着地点が見えてくると思います。
◇西村 誠司(にしむら・せいじ)1970年生まれ、愛知県出身。「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万9000人。
