【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】地方の魅力発信にはどんな視点が必要か
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】 西村社長のTikTokを拝見し、北海道の東川町へのふるさと納税をして返礼品でお米を申し込んだ30代前半の独身男性です。現在、東京で小さな商社で総務の業務に就いています。平日は社内にいることが多いため、週末はリフレッシュを兼ねて地方に出向き温泉やご当地の名物を味わううちに、地方が持つ魅力にすっかりハマってしまいました。今回、西村社長が地方創生の活動を展開する姿などを通じ、自分も地方の魅力を発信できるような仕事にしてみたい、と考えております。まだ漠然とした考えで具体的なプランなどはないです。どんなアプローチをしていけばいいのか。また地方の魅力発信には、どんな視点が必要かなど、西村さんの考えや良きアドバイスをいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
【回答】 ふるさと納税を通じて東川町を知り、地方の魅力に関心を持たれたというお話、とても素晴らしいと思います。地方にはまだまだ眠っている価値や資源が数多くあります。それを見つけ発信していく力こそ、これからの日本にとって最も必要とされる視点です。
私が東川町のアドバイザーとして活動を始めたときも、最初は「地方のPR」というより「知られていない魅力をどう見せるか」という挑戦でした。実際、東川町は日本で唯一、上水道がなく地下水だけで暮らしている町です。その水の美しさやそこから生まれる米や野菜の美味しさを伝えることが、地域のブランドをつくる第一歩でした。結果として、わずか1年でふるさと納税の寄附額は約4000万円(2024年4月単月)から約3億2000万円(2025年4月単月)へと急増しました。これは、地方の持つ“潜在的な価値”を正しく伝えられた成果だと思っています。
地方の魅力発信で大切なのは、まず「その土地を自分の目で見て、自分の言葉で語る」ことです。観光パンフレットに書かれている情報ではなく実際に足を運び、人と話し、空気を感じて初めて伝えられる“リアル”があります。発信には情報よりも「温度」が必要なんです。あなたが週末に地方を訪ねて感じたその“好き”という感覚こそが、最も説得力を持つ発信の原点になります。
もうひとつ大事なのは、発信の方法よりも「誰のために伝えるか」を意識することです。地域の良さを「観光客に届ける」のか、「移住希望者に伝える」のか、「地元の人に再発見してもらう」のかで、言葉も映像の撮り方も変わります。私は常に「知らない人に興味を持たせる」ことを意識して、SNSやメディアでの発信を続けています。話題性を生むことは、批判を受けることと表裏一体ですが「知られないより、知られること」が第一歩です。
もしあなたが今後地方に関わる仕事を志すなら、最初から完璧なプランは必要ありません。まずは現地を訪ね、SNSで発信してみる、地域の特産品を広めるイベントを手伝ってみる、そうした小さな行動の積み重ねが道をつくります。地方創生の仕事に携わる人の多くは、最初は「好きだから」「何か力になりたい」から始めているんです。
あなたが感じた“地方の魅力”を、自分の言葉で伝え続けてください。それがやがて誰かの心を動かし、地域の未来を変える力になります。焦らず自分のペースで構いません。私もその一人としてあなたのような想いを持つ人が増えていくことを、とても心強く感じています。
◇西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万6000人。
