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元巨人の土田氏、アパホテル社員で奮闘中 同世代の菅野、小林の活躍が励みに

アパホテル社員として奮闘する元巨人・土田瑞起氏
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 元巨人投手の土田瑞起氏(29)は、1月から人気ホテルチェーン「アパホテル」の正社員として新生活をスタートさせた。人生初の接客業で、社会の厳しさに直面。悪戦苦闘の日々を送っているが、元同僚で同年代の菅野智之投手(29)らの活躍にも刺激を受けながら、道を切り開こうとしている。

 新たな職場で働き始めて3カ月あまり。土田氏の表情には苦悩の色がにじんでいた。フロント業務や電話対応に追われているが「9割は外国の方。英語が全くできないことが、一番の課題ですね。マニュアルは頂きましたが、なかなか聞き取れないのでどう答えたらいいか…」と苦笑いを浮かべる。

 入社のきっかけは知人の紹介だったが、アパホテルではオフに巨人の選手のトークショーを行ったり、2軍選手が宿泊場所に使ったりするなど、身近な存在だった。社員にはプロ野球OBもいて、そのうちの一人で元ヤクルトの川本良平氏(36)からは「新しい世界で全くのゼロからのスタートで何もかも新鮮だけど、日々成長していける。楽しいよ」と助言されたという。

 現実は厳しかった。電話対応では上司から「語尾が伸びています」、「声のトーンを2トーン上げて下さい」などと指導を受ける毎日。敬語も使い慣れず「野球界も上下関係はあったけど、選手同士は仲も良かった。先輩に敬語は使っても『さようでございますか』とは言わないので」と、戸惑いは隠せない。

 だが、育成からはい上がった巨人時代と同じように、現状打破へ努力する姿勢は変わらない。自宅では、接客マニュアルや書店で自ら購入したホテル業界の書籍にも積極的に目を通す。未知の世界で、一から猛勉強を始めている。

 土田氏には忘れられない出来事がある。14年、プロ入り3年目の春。育成選手として初めて参加した1軍キャンプで「ツッチー、キャッチボールやろう」と声をかけてくれたのは同年代の菅野。1軍で初めて受けたボールは威力、質、制球すべてが別格だった。そして、一球も無駄にすることなく集中して取り組む姿勢に衝撃を受けた。「ここまでレベル、意識が違うのかと…。あの時、1軍でやっていけるのかと絶望すら感じましたね」。

 以来、コツコツと努力を重ねてプロ初勝利を飾り、初セーブもマーク。だが、右肘のけがに泣き、17年に退団した。野球への未練は断ち切ったが、同世代から受ける刺激が今も土田氏を突き動かす原動力となっている。「菅野に小林、DeNAに移籍した中井ちゃんとか。夜勤が多くてなかなか試合は見られませんけど、頑張ってほしいですね」。

 将来的にはプロ野球選手のトークショーなどのイベントに携わったり、野球選手を含めて多くのアスリートに利用してもらえるよう営業活動を行ったりもしたいという。

 29歳からスタートさせた新たな挑戦。「中途で拾ってもらえたうえに、上司の方々には丁寧に仕事を教えて頂いています。恩返しをしたいという思いが強いです」。一日でも早く戦力になることが、今は何よりの目標だ。(デイリースポーツ・佐藤啓)

 ◆土田瑞起(つちだ・みずき)1990年1月1日生まれ。長崎県出身。鎮西学院から四国九州IL・長崎、四国IL・愛媛を経て2011年の育成選手ドラフト2位で巨人入り。14年に支配下選手登録された。プロ通算30試合の登板で2勝1セーブ、防御率6・89。19年1月からアパホテルに勤務。

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