肺がん、結核、偽陽性が少なくなかったAIによる画像診断も日々進化 欠かせないパートナーに

 初回のコラムでもふれましたが、当院ではAIによる胸部レントゲン診断支援システムを導入しています。導入当初は、AIの診断には戸惑いもありました。胸部レントゲンに写り込んだお腹のガス(正常所見)を異常と指摘するなど、明らかな偽陽性が少なくなかったからです。そのため、当初はAIの所見は参考程度に留めていました。

 しかし、AIも日々進化しています。ソフトウェアがバージョンアップされるたびに、偽陽性所見は明らかに減ってきました。偽陰性、すなわち病変があるのにあると診断してくれない病気は今のところ軽度の気胸です。AIは肺野の病変を見逃すことは少ないですが、肺がわずかにしぼんだ状態=軽度の気胸を指摘することは苦手なようです。

 AIの精度に関しては、AIが胸部X線画像から肺がんや結核を見つける能力は、放射線科専門医に匹敵するか、一部では上回るという報告が多い一方、病変ではないものを病変ではないと判断する能力は医師に劣るという報告が多いようです。したがって、私が異常と判断した病変をAIも指摘してくれれば、迷わずCTを行っています。今では、最終的な診断を行う前にAIの診断を確認することが習慣になり、欠かせないパートナーになりつつあります。

 近い将来、AIが画像診断だけではなく、病気の診断や治療法の選択など、より多くの医療領域で活躍するようになるでしょう。そうなれば、医師の仕事はAIがとんでもない判断をしていないかをチェックするお目付け役が中心になるのかもしれません。医師も能力を日々アップデートしなければ、AIがとんでもない判断をしていないかを別のAIに判断を仰ぐという笑えない事態になりかねません。

 ◆西岡清訓(にしおか・きよのり)兵庫県尼崎市の「にしおか内科クリニック」院長。呼吸器、消化器疾患を中心に一般内科診療などを行っている。

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