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「何を食べても苦い」 西洋医学の投薬治療だけでは治癒が難しい病態

 初老の女性の話です。「何を食べても下痢して口の中が苦くて仕方ないですねん。何とかしてください」。他院では高血圧、脂質異常症の治療をされています。当院には胃カメラ、大腸カメラを受けるために来られました。今年1月から上腹部の張った感じと下痢が続くとのことで3月に受診されました。

 2種類の漢方と便の性状を整える錠剤、頓服の下痢止めを処方しました。一般の患者さんよりも、かなり体に気を使った食事をされていました。1月からは「低FODMAP」という食事をされています。発酵食品は身体にはいいとされましたが、最近のオーストラリアの研究で一部の人には有害であることも指摘されています。

 下痢を来しやすい食事の事を「FODMAP」と言います。発酵性の糖質のF、オリゴ糖のO、二糖類のD、単糖類のM、糖アルコールのPを取ってFODMAP。Aは?という人もいると思います。AはandのAになります。一部の食事を紹介すると、納豆、豆類、牛乳、ヨーグルトなどです。さらに興味のある方はネットを検索するなどして調べてください。

 女性は食事にも気を使われていましたので、内服も正確にできていましたが、症状に改善はありませんでした。一番困った問題が「水を飲んでも苦い!!」ということでした。ところが、4月初旬に漢方を変更してから症状が劇的に改善しました。そのときは錠剤を飲まずに漢方のみ内服されていたようです。2週間後の外来時に「舌の苦みが取れて、下痢も治ってきた」とのことでした。

 いわゆる於血という状態が改善して、舌の苦みと下痢が改善したようです。今回は、西洋医学の投薬治療だけに頼ると回復は無理だったでしょう。漢方を知らなければ、治癒は難しかったと思われる病態でした。

◆谷光 利昭 兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。外科医時代を経て、06年に同医院開院。診察は内科、外科、胃腸科、肛門科など。

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