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【松本浩彦医師】「締め」のラーメンが欲しくなるのはなぜ?

 コロナ禍でなければ、年末は忘年会、いまごろは新年会と、日々飲み歩いてるはずの時期ですが、お酒を飲んだ最後に「締めのラーメン」が欲しくなるのはなぜでしょうか。一つ目の理由は、アルコールの利尿作用で尿とともに塩分が排泄(はいせつ)されるため、身体が塩分不足になっていることです。でも、はしご酒にはしご飯。それだけ飲んだり食べたりしたにも関わらず、なぜ「締め」の炭水化物が欲しくなるのでしょう。

 アルコールは人体にとって有毒物質です。身体は糖代謝よりも先に、アルコールの解毒を優先します。お酒と一緒に食べた食事中の炭水化物を分解するのは後回しです。人間は血糖値が下がると「お腹が減った」と感じます。宴席で食べた食事がまだ分解・吸収されておらず、血糖値がそれほど上がってないので、「締め」のラーメンがよけいに美味しく感じられるんですね。

 お腹が空っぽの時、動物は肝臓に貯蔵されているグリコーゲンからグルコースを合成してエネルギーとして使いますが、アルコールはグルコース合成を抑制します。さらにアルコールに酔うと、心拍数や呼吸数が増え、基礎代謝が上がります。カラオケに興じるのも運動量の増加につながり、体細胞のグルコース消費がいっそう増加することで、宴会の最後の頃になると、むしろ血糖値は下がっているのです。

 もっとも、これらの話は一般の健康な人の話で、糖尿病でインスリン治療や飲み薬を服用している患者さんには当てはまりません。糖尿病の患者さんは、アルコールを飲んだ後に低血糖が起きやすいので要注意です。それからもちろん、締めのラーメンは、いちばんの「太る元凶」です。メタボを気にしている中年諸兄は、グッと我慢してくださいね。

◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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