【松本浩彦医師】「不織布」か「布」か…暑くてムシムシした季節、マスクは賢く使い分けましょう

 新型コロナ対策にマスクは必需品ですが、今の季節、マスクの内側が湿って息苦しくなる経験は、誰もがお持ちでしょう。

 市販されているマスクのほとんどは、3層もしくはそれ以上の「不織布」が重ねられ、さらに静電気でウイルスや花粉など細かい粒子を吸着する、特殊加工されたフィルターなどが挟まれている製品もあります。もちろんその分、湿気がこもって、眼鏡をかけている人などはレンズが曇ってしまうこともあると思います。

 通気性の良い下着を再加工した手作りマスクや、市販でも夏用の薄手の布マスクを見かけますが、これらは通気性がよく、涼しく着用できるかわりに、マスク本来の効果が低くなるのは当たり前です。そこで私がお勧めしているのが、「不織布」と「布」マスクの使い分けです。

 電車・バスに乗っている時や、人通りの多いアーケードの下などは感染リスクが高いので、不織布のマスクをしてください。いっぽう屋内でも、周囲に人が少なければ、薄手の布マスクで充分です。感染者が多発している地域では、また特別な注意が必要になりますが、一般的に考えて、感染リスクに合わせて、マスクを使い分けるのが賢い方法です。

 また今の季節であれば、昼間の屋外では、マスクはまず不要です。紫外線がウイルスを退治してくれます。数十万人の感染者を調査した結果、屋外で感染したのはたった一人だった、という報告もあります。

 マスクには、自分の飛沫を外に出さない、外からの飛沫が鼻や口から入ってくるのを防ぐ、という二つの目的があります。ウイルスが手についても、マスクをしていればその手で鼻や口を触れません。ですから暑いからといって、鼻だけ出すのはNGですよ。

◆松本 浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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