【谷光利昭医師】コロナ禍の間接的な“負の影響”にご注意

 先日、久しぶりに私を診てもらっている理学療法士さんに身体の調整をして頂きました。調子が悪いところはないと思っていたのですが、「随分と疲れが溜まっているようです。知らず知らずのうちにストレスが溜まっているのでしょう」と診断を受けました。

 自分のことを自分で判断することは非常に難しく、信頼できる理学療法士さんにお願いをしていて良かったと思いました。治療後は、快適な状態で帰宅しました。

 緊急事態宣言が解除され一時的に長期投薬していた患者さんの受診が少しずつ再開されてきた感じがあります。久しぶりにお会いして感じたことは、少しふくよかになられた方が少なくないということです。

 今回のコロナ禍では、直接的な被害だけではなく、間接的に負の影響も及ぼしています。この数カ月間で、糖尿病、高血圧、脂質異常症の患者さんたちが増悪傾向にあるのは驚きを隠せません。私と同じで知らないうちにストレスに蝕まれ、生活のリズムが狂ってしまっているのではないでしょうか。

 この季節は、気温の上昇とともに血管の拡張、発汗などの影響もあり、血圧が低下して降圧剤の減量をする患者さんが多いのですが、逆に増量している患者さんが例年に比べて増えています。また、糖尿病の患者さんでは、自宅待機による過食、運動不足によって急激な増悪を認めている方が増えています。

 病院での受診自体にリスクがあることは間違いありませんが、多くの病院では対策を行っています。ちゃんとした感染対策を講じれば、リスクはかなり軽減されます。最近、新型コロナウイルスの新たな感染者が出ていない県も多いです。今は決して気を緩めることなく、以前の生活のリズムを取り戻すことも大切な課題の一つであると感じています。

◆谷光 利昭 兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。外科医時代を経て、06年に同医院開院。診察は内科、外科、胃腸科、肛門科など。

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