【松本浩彦医師】子どもの「スマホ依存症」「ゲーム依存症」 治療には家族でルールの共有を

 夏休みが終わり子供さんたちが学校に通い始めて、正直ホッとしておられるお母さん方も多いと思いますが、それと同時に心配事が増えてませんか。長い休み中にスマホゲームばかりやってた我が子、学校に通い始めて切り替えられるかしら?

 「自分でコントロールできない」「日常行動よりもゲームを優先する」「他に問題が起きてもゲームを続ける」「家族・社会・教育・職業などに著しい障害がある」。この4項目が1年以上続くと「ゲーム依存症」というれっきとした病気と診断されます。

 依存症専門の医療機関を受診しても1回の治療では治りません。アカウントを消してゲームをやめさせることは簡単ですが、依存患者は強く抵抗します。かといって、本人の承諾なしにスマホを取り上げたりアカウントを消したりしても、トラブルになるだけです。

 薬物やギャンブルなども含めた依存症治療の権威、久里浜医療センターの樋口進先生は【親子で一緒にルールを作ろう】として、以下の5つを提唱しておられます。

(1)「機器は親が貸し与える」スマホやタブレットは親が貸し出す。パスワードも親が管理する。

(2)「ゲーム時間・場所を決める」スマホのタイマー機能を利用する。ただし本人がその必要性を理解すること。

(3)「スマホを使ってはいけない状況を決める」食事中は使わない、風呂場には持っていかない、学校には持っていかないなど、本人納得の上でルールを作る。

(4)「お金の使い方を決める」ゲーム、アプリのダウンロードや課金の限度額を決めておく。

(5)「ルールは書面に残し、守れなかったときの約束を決めておく」守れなかった時の罰則を決めて、家族でルールを共有する。…少しは参考になりましたでしょうか?

◆松本浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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