【谷光利昭医師】動悸に様々な原因 貧血などは要注意

 【Q】最近、動悸(どうき)で目が覚めます。どうしたらいいでしょうか?(30代女性)

 【A】動悸には様々な原因があります。大きく分けると心臓由来のもの、心臓由来でないものの2つです。

 心臓由来には、不整脈を伴うもの、伴わないものがあります。さらに不整脈の中に、脈が速いもの、反対に遅いものがあります。人によっては、脈が遅くなったときに動悸を感じる人がおられます。また、リズムが不整になっているものなど、様々な原因があるんです。

 不整脈を伴わない心臓由来の動悸もあります。有名な病気としては、高血圧、心不全、虚血性心疾患などが挙げられます。それ以外に心臓の中の弁が壊れてしまい、血液がスムースに流れにくい病気や、心臓の筋肉がおかしくなる病気があります。

 心臓以外の原因もあります。女性の場合、気を付けて頂きたいのは貧血です。毎月の生理により、知らないうちに貧血になり、血液検査で通常の半分近くまで血液が薄まっている人がおられます。その他、脱水、発熱、甲状腺の病気、副腎の腫瘍、低血糖などもあるんです。動悸といっても、ばかにはできません。

 そして、忘れていけないのはストレスです。心因性の場合は、ご本人が気づいていないストレスで引き起こされていることもあります。症状は人により違います。息が吸えない、喉が詰まった感じがする、動悸がするなど様々です。

 動悸を感じたときには、自分で血圧を測定したり、脈拍を測定することは診断の助けになります。場合によっては24時間装着する心電図の検査もあります。

 質問された方の場合、心臓由来も否定できませんが、若い女性は貧血、甲状腺疾患、ストレスなどが原因となっているケースをよく見受けます。貧血、甲状腺疾患も放置すれば、心不全につながります。症状が持続しているなら、早めに受診することをお勧めします。

 ◆谷光利昭(たにみつ・としあき)兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。診察は内科、外科、胃腸科、肛門科など。デイリースポーツHPで医療コラム「町医者の独り言」を連載中。

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