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あふれる健康にいい食品…情報やウワサに惑わされず確認するべき

健康への関心は高まる一方です(c)taka-Fotolia
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 「町医者の独り言=35=」

 帰宅するとテレビがついており、何気なく座って見ていた。入院して体力も気力もなくなったご主人がリハビリをし、家族に支えてもらいながら、元気を取り戻していくという感動的な話でした。涙腺の弱い私は、少し目に涙を浮かべながら見ていた。すると突然、画面が健康食品の宣伝に変わりました。

 今まで見ていた番組は、健康食品の会社がスポンサーでした。非常にうまく作られているなぁと思いました。他にも、有名な芸能人が、健康食品や特保といわれている商品のコマーシャルの宣伝に出演されている。この流れだと、視聴者の心はわしづかみにされるのではと想像しました。

 これらの宣伝は、保健機能食品と呼ばれているものがほとんどだと思われます。保健機能食品は3種類。トクホと呼ばれている特定保健用食品と栄養機能食品、機能性表示食品です。トクホだけは国の審査と消費者庁に届け出が必要ですが、栄養機能食品、機能性表示食品は、国の審査までは必要ありません。健康食品と呼ばれている種類のものも同じです。

 高齢化社会となり、健康への関心は高まる一方です。ただ、少しでも健康になりたいと思う消費者の思いを逆手にとる商品も混じっていることは気をつけるべきだと思います。

 以前、トクホで認定された食用油がありました。のちに、その商品に体内で発がん性物質に変わってしまう恐れのある成分が含まれていたということが判明しました。その商品は販売中止となり、トクホの許可も返上されたとか。日本のトクホの基準は欧州などの外国と違うケースがあり、日本で認定されていても、欧州では認定されていないケースもあります。

 栄養ドリンクなども“効能”をすべて信じてしまうことは危険です。商品によっては様々な漢方エキスの成分も記載されていますが、医学的に即効性があると考えられる成分はほとんどありません。もちろん、書かれている漢方を毎日、適量飲めば次第に体力が回復することを期待できるので、ウソではないのですが、飲んですぐに効果を期待される方は確認された方がいいでしょう。栄養ドリンクで効果があると感じるのは、含まれているカフェインとアルコールの影響が大きいと思われます。

 他にも注意をしていただきたい健康食品があります。ウコン、アガリスクなどです。これらは誤った摂取法をしてしまうと、人によっては肝障害を引き起こす可能性もあるのです。また、身体にいいと思って摂っている食品も、医学的見地からするとほぼ無意味に思えるものがけっこう出回っています。

 もちろん、その人の体の状況にもよりますが、あふれている情報やウワサを鵜呑みにする、あるいは過剰に期待することは避けた方が賢明です。購入の際には、その商品情報をよく調べるか、主治医の先生や薬剤師さんに相談することが大切だと思います。

 ◆筆者プロフィール 谷光利昭(たにみつ・としあき)たにみつ内科院長。93年大阪医科大卒、外科医として三井記念病院、栃木県立がんセンターなどで勤務。06年に兵庫県伊丹市で「たにみつ内科」を開院。地域のホームドクターとして奮闘中。

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