カメラマン発 プロ初のサヨナラ打を放ったドラ1ルーキー、ロッテ・西川史礁 ファインダー越しに見たスター性

 スターのたたずまいだった。ドラ1ルーキーのロッテ・西川史礁外野手(22)だ。

 18日の対日本ハム(ZOZOマリンスタジアム)の12回1死一、二塁、一打サヨナラの場面で代打を告げられた。ネクストバッターズサークルから打席に向かう姿をファインダー越しに見ていた。17打席もヒットがない打者とは思えなかった。バットを手に一歩一歩、しっかりとした足取りで打席へ向かう姿は堂々としていた。

 オープン戦で4割を超える打率をマークし開幕1軍を勝ち取ったが、5月に入ると打てなくなった。“プロの壁”に苦しんでいる中で与えられたチャンス。一塁側のロッテベンチの最前列にナインが身を乗り出している。満員のスタンドのファンも拍手と熱視線を送っている。最下位に沈むチームだけに、首位の日本ハムに競り勝って弾みをつけたい。

 打席に入る前の素振りのバットの軌道から、狙いはセンターから右方向か。打席に入りバットを構えた。私のまぶたに浮かぶ残像は、オープン戦で見たフルスイング。思い切りの良いバッティングに華を感じたが、公式戦延長戦の一打サヨナラの場面で、本来のスイングができるかどうか。真価が問われる。

 初球から、打ちにいった。思い切りのいいスイング。一塁側のベンチのナインの顔が驚きの表情へと変わった。打球は右中間を割った。スタンドのファンが総立ちになった。一塁ベースを回りながら渾身(こんしん)のガッツポーズ。プロ初のサヨナラ二塁打だ。二塁ベースを踏むと、喜びを爆発させながらガッツポーズを決め、ベンチを飛び出したナインの輪の中へ。初めて浴びるウオーターシャワーに笑顔がはじける。指揮官とタッチを交わし、先輩のナインから次々と祝福された。

 プロの壁にぶち当たっていたルーキーが、ここ一番で見せた勝負強さ。不振を感じさせないたたずまい。打席に向かう姿に、改めてスター性を感じた。(デイリースポーツ・開出牧)

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