血まみれの死闘の中で…2階級同時制覇の矢吹正道がみせた驚異の精神力

10回、バッティングで傷を負いながらも正確に相手を捉える矢吹正道=3月29日、愛知県国際展示場(撮影・坂部計介)
3回、偶然のバッティングで右頰に傷を負い、顔をしかめる矢吹正道=3付き29日、愛知県国際展示場(撮影・坂部計介)
血まみれの状態でパンチを繰り出す矢吹正道(左)=3月29日、愛知県国際展示場(撮影・坂部計介)
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 3月29日に行われたボクシング・IBF世界フライ級タイトルマッチは壮絶な打ち合いを制し、矢吹正道が2階級同時制覇を達成した。途中、対戦相手のアンヘル・アラヤと偶然のバッティングで、右目の下に大きな傷を負い、アラヤも額をカットしたため両者血まみれの試合となった。

 3回、両者がぶつかった次の瞬間、矢吹が顔をしかめて距離をとった。顔に大きな傷が見られ、リングには血が滴る。メディカルチェックの後、両者問題なしとされ、試合は続行された。

 1、2回でダウンを奪うなど、矢吹がペースを握っていたが、その後も着実にパンチを繰り出して行く。試合後のインタビューで「アラヤには強いパンチがあるのでうまく入れなかった」と語っていたが、後半にはわずかに甘くなったガードの間を狙うなど、粘り強く食い下がった。ファインダー越しに見える両選手はまるで赤鬼のよう。すごい迫力だった。

 12回、TKOで矢吹が勝利したが、右頰の傷は相当な痛みがあっただろう。そんな中でも集中力を保ち、冷静に相手を見据える精神力には驚かされる。今後の矢吹の活躍に期待したい。(デイリースポーツ・坂部計介)

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