霧島 疲労困憊のワケは…同郷の先輩、横綱・照ノ富士とのぶつかり稽古に4000人がわく

 大相撲の横綱審議委員会稽古総見が、2日に両国国技館で4年振りに一般公開された。約4000人が集まった会場を一番沸かせたのは終盤に横綱・照ノ富士が指名した大関・霧島のぶつかり稽古であった。

 すでに数多くの取り組みで疲れ果てている霧島を躊躇(ちゅうちょ)無く指名した照ノ富士。これも同郷の後輩への期待の表れだろう。それに応えようと霧島も必死に力を振り絞った。

 初めは胸を出した照ノ富士を力いっぱい、土俵際まで押し込んだ霧島だが、回数を重ねるごとに途中で押せなくなるなどスタミナ切れに。会場からは「頑張れ」と温かい声も響いたが、横綱は容赦ない。

 力尽き土俵にひざまずく霧島に早く立ち上がるよう厳しい言葉を浴びせ催促する。最後は動けなくなった霧島のまわしをつかみながら立ち上がらせ、再び胸を出した。土だらけの体で最後の一本を終えた霧島は疲労困憊(こんぱい)。土俵下でしばらくの間うずくまった後、おけに入った力水をひしゃくで数回、顔にかけた。

 国技館へ詰めかけた観客へのパフォーマンスもあったかもしれないが、この厳しい稽古を糧に横綱への道を駆け上がりたいものだ。(デイリースポーツ・棚橋慶太)

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