何あれ？

　初夏を迎えた６月。競走馬の調教を行うＪＲＡの栗東トレーニングセンター内で普段あまり見ることのない“珍客”を発見した。

　サラブレッドが順番に通る下りの坂道。そこで私は目的の馬を待っていた。するとしばらくして、茂みの中からチョロチョロと駆け下りて来たのはキツネ！すぐさま注視する。

　ここを歩いてはダメ－。空気を読んだのか、突然馬が歩くスピードより速い脚力で馬道を斜めに横断。あっという間に林の中に消えて行ってしまった。

　自分より大きな体の馬を見て驚いたのか、それとも冬でもないのに町の灯を目当てに手袋を買いに行くのか…珍客を目の当たりにして、そんなことを想像してしまった。

（デイリースポーツ・北村雅宏）