選手の間にも疲れが見え始めた沖縄キャンプ終盤。チームを鼓舞するかのように大きな声を出しながら、ひたむきに打球を追っていたのが広島・羽月だった。
右へ左へと猛ノックが浴びせられた守備練習。次々と飛んでくる打球に泥だらけになりながら飛びつく姿は勇ましく輝いていた。167センチの小柄な体からわき出る気迫と熱気。ハッスルプレーが身上でもある。
かつて南海ホークスの黄金時代を築いた名将、故鶴岡一人氏は「グラウンドにはゼニが落ちている」と名言を残した。泥まみれの羽月の姿にシャッターを切りながら、その言葉が頭に浮かんだ。(写真と文 デイリースポーツ・北村雅宏)