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“スマイルシンデレラ”渋野が教えてくれたゴルフの怖さ

 18番、決めればプレーオフ進出のパーパットを外し悔しがる渋野日向子=18日、長野・軽井沢72ゴルフ北コース(撮影・開出牧)
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 ゴルフの怖さを教えてくれた。全英女子オープンを制して、日本人2人目の海外メジャーVを果たした“スマイルシンデレラ”渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は18日、NEC軽井沢72ゴルフトーナメント最終日の18番グリーンで3パットのボギーをたたき、優勝を逃した。

 大ギャラリーに囲まれた18番グリーンが静寂に包まれた。ピン右5メートルのバーディーパット。決めれば優勝。全英女子オープンの再現が脳裏を過ぎる。高鳴る鼓動。私はシャッターを押す指に全神経を集中させた。

 パターからはじかれたボールが乾いた音を残してグリーンを走る。「入れ!」と大声を上げるギャラリー。次の瞬間、ファインダーに写っていたのは、ガッツポーズでもなくスマイルでもなく、放心したような表情だった。静寂が大きなため息に変わった。ボールはカップの横を通過し2メートルもオーバーしていた。渋野は、悔しさを隠すように笑顔を作った。

 そして、決めればプレーオフ進出となるパーパットも外し、優勝を逃した。パターを握りしめ、今度は、はばからず悔しがった。手を目にやり、涙をこらえながらホールアウトした。“全英のスマイルシンデレラ”が見せた、弱さだった。

 祭りの後の静けさ。夏の終わりを告げる秋風のような寂しさに包まれたのは私だけではなかっただろう。

 ゴルフはメンタルスポーツと言われる。精神状態がプレーに大きく影響するからだ。

 「緊張で手が震えていた。ただただ自分が情けなかった」と振り返った渋野。メジャーの大舞台で見せた強心臓も、グリーンにすむ魔物につかまった。

 脱げたガラスの靴を届けてくれる王子様はいない。チャレンジャーに戻って、次戦でリベンジだ。(デイリースポーツ・開出牧)

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