【スポーツ】三木つばきが明かす現在地 スノーボード女子パラレル大回転日本勢初「金」へ「もっと技術を磨いていく必要がある」
スノーボード女子パラレル大回転で、2022年北京五輪代表の三木つばき(22)=浜松いわた信用金庫=は、26年ミラノ・コルティナ五輪で日本勢初の金メダル獲得に挑む。シーズン初戦となるW杯第1戦(6日開幕、中国)に向け、本人が明かす現在地とは。
冷静に立ち位置を分析する。日本勢初の金メダル獲得を狙うミラノ・コルティナ五輪の開幕まで残り2カ月。11月27日に欧州からオンラインで取材に応じた三木は、現在のコンディションについて明かした。
「現状の滑りを五輪でしたら100%勝てない。もっと技術を磨いていく必要がある。今季は3歩進んで2歩下がる毎日で、歩みとしてはゆっくり。焦りに感じている部分ではあるけど、これから挽回していけたら」
23年世界選手権のパラレル大回転を制し、25年大会では銀メダルを獲得した五輪金候補。今季は8月末に日本を出発し、約1カ月間の欧州遠征、10月からはオーストリアでの雪上で同国やポーランド、米国チームと合同練習を行ってきた。
現段階で苦戦している理由に2点挙げる。一つ目はコーチング。これまで指導者を付けないセルフコーチングで技術を磨いてきた。昨季だけ限定してコーチを雇って世界と戦う滑りを作っただけに、セルフコーチングに戻した今は「1人で再現するのは難しい」と悩みを明かす。
二つ目は環境の影響だ。例年雪不足が問題となっているが、今年は10月中旬になっても雪上に石が転がり、石を拾う作業から始まったという。また新雪はふわふわで力が伝わりにくいため、パラレル大回転などのアルペン競技に適した固いものではない。「固い雪じゃないと力が帰ってこない。柔らかいとズルズルと流れてしまう」。技術を確かめられないことも、状態を上げ切れていない要因の一つだ。
それでも現状を分析し、五輪までコンディションを上げる道筋は描けている様子。オンラインで画面に映る姿に悲愴(ひそう)感はなく、いつもの明るい表情を見せた。「五輪の目標は金メダル。しっかりと達成できるように練習を頑張りたい」。一歩ずつ確実に悲願の金へ進んでいく。(デイリースポーツ・谷凌弥)
◆三木つばき(みき・つばき)2003年6月1日、長野県北安曇郡白馬村出身。父の影響で4歳からスノーボードを始めた。小学6年でプロ登録し、中学3年でシニア国際大会デビュー。初出場の22年北京五輪では、パラレル大回転で9位に入った。世界選手権では23年大会のパラレル大回転で金メダルを獲得。25年大会ではパラレル回転で優勝した。24~25年シーズンは日本勢初のW杯総合優勝。173センチ。





