【サッカー】森保ジャパン なぜ半数以上が“当落線上”なのか W杯メンバー入りは狭き門

 サッカー日本代表は18日にボリビア代表を3-0で下し、2025年の代表活動を3連勝で締めた。12月5日(日本時間6日)には米ワシントンでW杯北中米大会(2026年6月11日開幕)の組み合わせ抽選が行われるなど、本大会開幕の瞬間が刻々と迫っている。それでも、森保一監督(57)は「W杯直前まで(メンバーは)固まらない」と、来年6月まで激しい競争が続くことを示唆。11月の活動に招集されたメンバーの半数以上が“当落線上”といっても大げさでないような、サバイバルが繰り広げられている。

 現状のベストメンバーで挑んだ14日のガーナ戦。名を連ねた11人のうち7人が、日本史上最速でW杯出場を決めた3月の最終予選バーレーン戦と異なる選手だった。ケガの影響で10月の代表活動は不参加だった主将のMF遠藤航(リバプール)、DF板倉滉(アヤックス)はベンチスタート。“聖域”はない。そんな指揮官のメッセージが込められているように感じた。

 2人とも最終予選では絶対的なレギュラーだった。その2人を追い越す勢いでアピールしたのが、MF佐野海舟(マインツ)、DF鈴木淳之介(コペンハーゲン)、渡辺剛(フェイエノールト)。10月のブラジル戦で歴史的初勝利に貢献するなど、存在感は日に日に高まっている。

 特に鈴木淳は、代表キャップ数が4のみ。W杯出場を決めた約8カ月前は海外挑戦前で、A代表に招集すらされておらず、驚異の出世スピードだ。逆に言えば、W杯開幕まで約7カ月前の今から、“新顔”が入り込む余地もゼロではないという裏付けになる。

 本来、森保監督は9月の米国遠征からチームを固める方針だったという。だが、DF町田浩樹(ホッフェンハイム)、DF高井幸大(トットナム)ら主力DF陣にケガ人が続出したことを受けて「一気に切り替えた」と新戦力の発掘に着手。その結果、鈴木淳らが台頭。まさに“けがの功名”で、指揮官が目指す2~3チーム分の選手層に近づいた。

 熾烈(しれつ)なボランチ争いをけん引する佐野は「常連っていう感覚は全くない。当落線上にいると思っている」と話す。遠藤も「スタメンは譲るとか(ない)。負けん気は出していく」とギラギラだ。3月以降、代表活動から遠ざかっているMF守田英正(スポルティング)も危機感を持っているだろう。

 「最後にコンディションのいい選手を選んで、W杯直前に一気に固めていく」と、森保監督は限界まで見極めるつもりだ。滑り込みでの“サプライズ招集”を狙う選手も競争を活性化させる。

 ケガで2カ月続けて代表招集外だったMF三笘薫(ブライトン)、指揮官が「間に合うと思っている」と期待するDF冨安健洋(無所属)らを含め、優勝を目指すW杯のメンバー入りは狭き門だ。約半年後のメンバー発表で、多くの“サプライズ落選”があっても不思議ではない。(デイリースポーツ・松田和城)

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