【野球】阪神・村上 ワンバン連発の理由 坂本も“苦笑のワケ”回想 強打のDeNA封じへ徹底した意識

 15日のCSファイナルステージ1回戦、牧に対し、ワンバウンドになる投球をする村上
 小雨の降る中、入念にキャッチボールする村上(撮影・北村雅宏)
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 阪神がDeNAに無傷の3連勝でCSファイナルSを突破して、日本シリーズ進出を決めた。振り返れば、初戦の先発を任された村上頌樹投手(27)が幾度となくピンチを招きながらも5回無失点で、スイープへの流れを作った。ベース板手前でワンバウンドする投球の連発もあったが、粘投の裏側には徹底したある意識付けと、リーグ覇者としての矜持(きょうじ)があった。

  ◇  ◇

 CSファイナルS初戦、村上自身に勝ちはつかなかったが、チームはCS白星発進を飾った。毎回走者を背負い、5回を投げ終えて降板。無失点ながら103球を要した。5月10日の中日戦(甲子園)でマダックス(100球未満の完封勝利)を決めたことを思えば、球数はかなりかさんだ。

 試合後には次のようなコメントを残した。「ちょっと慎重に行き過ぎたところもありましたし、5回でしたけど、0で帰って来られたんで良かったかなと思います」。右腕が感じた“慎重過ぎた”部分とは-。

 「相手打線がいいと分かっていましたし、ファーストステージを勝ち上がって、サヨナラ勝ちもしていますし、勢いがあるなと。初戦で、ファーストステージのような展開に持っていかれるとキツいので、球数をかけてでもゼロでいけるようにと思っていました」。後日、改めて初戦の投球を振り返ってもらうと、球数の多さは織り込み済みだったことを明かした。

 初回から窮地に直面した。先頭・蝦名の右前打を皮切りに2死満塁。山本へのカウント1-1からの3球目、村上が投じたチェンジアップはベース板のはるか手前でワンバウンド。坂本がしっかり止めると、続く147キロ直球で三ゴロに打ち取った。

 三回1死一、二塁でも、牧を追い込んだ後、直球をベース板手前にたたきつけたが、最後は低めのチェンジアップで空振り三振に斬った。四回2死二塁も蝦名へのカウント2-1からのチェンジアップがこの試合3度目となるベース手前でのワンバウンド。その直後、村上も、1度も後ろにそらすことがなかった坂本も、お互いに苦笑いを浮かべた。

 抜群の制球力を誇る村上が見せた“3球の異変”だったが、指に何らかの異常があったわけではない。低めへの徹底した意識付けのたまものだった。「低く投げようと思い過ぎて。ほんとに低過ぎて、誠志郎さんには何球も止めていただいて感謝しかないです」。坂本も「今日は(ワンバウンドが)多いな、という感じでした。ファーストステージの勢いもあるし打線も強力なので、初戦としてはいろいろ中身を変えながらでしたけど」と“苦笑のワケ”を回想した。

 序盤からピンチを切り抜けるたびに、雄たけびを上げ、ガッツポーズを繰り出した。「やっぱり優勝チームですし、負けられないというところがあったので、絶対勝てるようにと気持ちは入っていたと思います」。リーグ3冠投手が見せた気迫。日本シリーズでも圧倒的な信頼感を背負って、マウンドに立つ。(デイリースポーツ・丸尾匠)

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