【野球】元阪神エースのヤクルト・青柳が藤川監督と交わした約束とは? メジャー挑戦も夢かなわずNPB復帰を決断

 今季途中、ヤクルトに電撃加入した青柳晃洋投手(31)。元阪神のエースは昨季終了後にメジャーに挑戦したが夢はかなわず、NPB復帰を決断した。右腕が恩師として慕う阪神・藤川球児監督(45)と交わした約束とは-。

  ◇  ◇

 青柳にとって25年は激動のシーズンだった。米大リーグ、フィリーズ傘下2Aレディングを自由契約となり、補強期限ギリギリの7月31日にヤクルトが獲得を正式発表した。

 昨季終了後、阪神からポスティングシステムを利用してフィリーズとマイナー契約。だがメジャー昇格はかなわなかった。それでも、手を差し伸べてくれたヤクルトとともに「マイナーでも行かしてもらった」と、阪神への感謝の気持ちも吐露した。

 恩師への感謝の思いも忘れない。メジャー挑戦という夢の階段に足をかける際、背中を押してくれたのは阪神・藤川監督だった。「球児さんには現役の時からすごく良くしてもらっている。(米国に)行く時もそうですし、(日本に)帰ってきてからもそうです」と青柳。「(米国に)行く時は“タイガースの監督と選手ではなくて、いち先輩として”という話をしてもらえた。『何かあったら頼ってくれたらいい』と言ってくださった」と明かす。

 夢は砕け散った。その際、大リーグ球団に移籍した経験を持つ藤川監督は「『マイナーのつらさは分かる。行った者にしか分からない』」とねぎらってくれた。夢を抱いて海を渡っても、過酷な環境に苦しみ、厳しい現実を突きつけられた日本選手は少なくない。

 夢と現実のギャップは当然ある。「『みんな夢を持ってアメリカに行くけど、相当過酷だよというのを今度は下に伝えていくのは、お前の役割だよ』と言われました」。成功体験ではないが、経験した者にしか分からない苦労話などを後輩たちに引き継いでいくようにエールを送られた。「経験した人にそうやって言葉をかけてもらえるのは素晴らしいことだと思う。ありがたい」としみじみ語る。

 NPB復帰が決まった際には、藤川監督から「チームは変わるけど頑張れ」と激励された。今季は阪神と2戦連続の対戦を含めて3試合の先発で0勝2敗、防御率8・10と本来の姿を披露することはできなかった。手を差し伸べてくれたヤクルト、古巣、藤川監督に恩返しを果たすことができなかった。NPB通算61勝の元阪神エース。恩師の“金言”を胸に秘め、来季は輝きを取り戻す。(デイリースポーツ・伊藤 玄門)

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