【野球】楽天・宗山「もう願うだけ」1軍完走の先に見たものとは

 今季のパ・リーグ新人王争いは熾烈(しれつ)を極める。中でも楽天の宗山塁内野手(22)はルーキーイヤーをケガなく1軍で完走した。遊撃という守備の要として1年間を走り切った先に見た収穫、課題とは。昨秋ドラフトでは5球団が競合したゴールデンルーキーの現在地に迫った。

  ◇  ◇

 周囲から寄せられる大きな期待を背負い、宗山が激動の1年間を走り切った。連日の試合に、過酷な移動。スケジュールに慣れるまでを「最大の壁」とし、1軍フル帯同の先に見えたものとは-。4年連続4位というチームに、自身の足りなかった課題にも目を向けた。

 「もっと得点圏での打点は取れたかなと思う。現状、それができなかった。守備面での貢献は、ショートを守らせてもらっている以上もちろんやっていかないといけない。村林さんは勝負どころで打点が多かった。そういう先輩の姿を見たので、そこはもっともっと必要」

 得点圏打率・207と苦しんだのは事実だ。宗山が名前を挙げた村林は同・355、後半戦にクリーンアップを任された黒川は同・344、ボイトは同・391といずれも高い数字を誇っている。だからこそ、「打点はチームの勝敗を大きく左右する。来年以降もっともっとできるようになっていかないといけないところ」と足元を見つめた。

 好不調の波もあって、スタメン落ちの日々も増えた。シーズン中盤には三木監督から「来年から全試合出る選手になっていかないといけない」とハッパもかけられた。「目の前の結果に左右されがちですけど、僕はそうじゃない」。経験を重ねながら目標の立て方にも変化が生まれ、来季以降を見据えることもできるようになった。

 目指す新人王は熾烈(しれつ)な争いが予想される。開幕から遊撃という守備の要を担い、1年間を完走。122試合で打率・260、112安打、3本塁打、27打点を記録。ライバルにはともに規定打席をクリアし、打率・281を誇るロッテ・西川、12本塁打と長打力を見せた西武・渡部聖。さらに投手では日本ハム・達が今季最終登板でプロ初完封を挙げて8勝目に乗せていた。

 ライバルたちの活躍を踏まえ、宗山は「もう願うだけ」と言う。新人だけが狙えるタイトルだけに、もちろん欲しい勲章の一つだ。それでも言葉に熱がこもる。「もし自分じゃなくても、それは他の選手がすごかったっていうだけ。その先で勝負して勝てるようにという思い」。1軍完走の先に見えたのは、長くプロ野球選手であり続けたいという大きな未来だったと思う。(デイリースポーツ・松井 美里)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

インサイド最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス