【野球】巨人・田中将 日米通算200勝は久保コーチとの「積み重ね」 9月21日敗戦翌日に即行動で修正

 9月30日の中日戦(東京ド)で史上4人目となる日米通算200勝を達成した巨人・田中将大投手(36)。王手をかけてから3度の失敗を経て、レギュラーシーズン最後の登板で記録達成となった。その勝利を陰で支えたのが久保康生巡回投手コーチ(67)の存在だ。3度目の持ち越しとなった同21日・中日戦(バンテリン)から2人は何を修正してきたのか-。その内幕を聞いた。

 9月21日のバンテリンドーム。4月3日に移籍後初勝利を挙げた験の良い球場で、田中将は3度目となる通算200勝達成に挑んだ。初回に打線が2点の援護点を挙げ、達成への期待感が高まった。だが、その裏のマウンドに立った姿に久保コーチは不安を覚えていた。

 「キャンプで取りかかった軸が、どうしたら右足の軸がつぶれずに(軸が)立って投球フォームに入り込むか。これが初回と二回はずれていた」

 初回2死から甘く入った直球を上林に右翼席へ運ばれる。続く二回は1死一塁で石伊に肩口から入ったスライダーを捉えられ、左翼席へ逆転2ランを被弾。2点の援護を序盤で吐き出した。

 「僕の感覚ではあまりやってほしくないところを、どうしても入れたがる。自分の(以前の)感覚があるんやな」と久保コーチ。変化はごくわずかなもの。右足で立った時に、上げた左足が止まるような動作で体全体を上に持ち上げる感覚で軸を立てる。素人目では気付けない変化だ。

 ただ、軸が立たないと「体はスペースのあるところに行きたがる。そうすると横へ、横へと回る」と体が横振りになるという。体が意識的に上に持ち上がれば、そのまま自然と振り下ろす縦振りの動きとなる。それにより「5センチ、7センチぐらい(球の)高さが変わってくる。威力とボールの角度もね」と説明した。

 二回はまさに横振りから抜けてしまったスライダーを石伊に捉えられたが、それでも田中将が優れているのは修正力の高さだ。「三回からはできていた。『あっ、変わった』とすぐに分かる」。三回以降は3イニング連続で三者凡退と復調の兆しも見せていた。

 敗戦翌日、ジャイアンツ球場での投手練習では、すぐさま久保コーチが田中将の元に足を運んで前日の状況を確認。投げ終わりで頭をグッと下げるしぐさを繰り返し、軸を立てて縦回転で投げ下ろす意識付けを行った。

 田中将は巨人での分岐点を「久保さんと出会ったこと」と話す。確認と修正-。田中将が久保コーチと取り組んできた地道な「積み重ね」こそが、記録達成の一因となったことは間違いない。

 200勝の瞬間を見届け「まだまだ良くなる途中」と久保コーチ。「ここから2、3年ぐらいはね。めちゃくちゃ良いものを持っている。200も勝てるピッチャーなんやから。マー君も進化してます!」。二人三脚で歩む完全復活のストーリーは、まだ道半ばのようだ。(デイリースポーツ・中田康博)

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