【野球】広島・末包 三振、四球割合が劇的に改善したワケ 進化の裏にあった割り切る勇気

 広島は40試合を終えて21勝18敗1分けで、首位・阪神と1・5ゲーム差の2位につけている。開幕前後に主力の負傷離脱が続出しながら、リーグトップのチーム打率・249を誇る打線を中心に上位をキープ。4番に座るのは4年目の末包昇大外野手(28)だ。昨季までと比較して打席数における三振と四球の割合が劇的に改善。進化の裏には打席内での「割り切り」があった。

 印象的だったコメントがある。相手先発の山崎に7回無失点の好投を許して完封負けを喫した4月30日・巨人戦(東京ド)。4打数無安打に終わった末包は「振っていった球が果たして、それが正解だったのかなというところですね」と言った。その言葉で綿密にプランを立て、狙い球を絞って打席に入っていることを感じさせられた。

 開幕カードでは出場すらなかったが、今やファビアンとともに打線の中心として機能している。今季はここまで36試合に出場し、打率・277、6本塁打、31打点で本塁打と打点はチームトップ。特筆すべきは、両リーグトップの得点圏打率・452だ。

 昨季は打率・238、得点圏打率・284だったから、成長がうかがえる。さらに他の数値を掘り下げると、改善が見える。打席数における三振の割合は昨季の28%から、今季は19・1%に改善。同じく四球の割合は昨季の3・9%から、今季は8・9%と2倍以上に跳ね上がっている。

 球の見極めができている証拠だが、その要因を末包は「新たな取り組みとして、打つ球をしっかりと狙って、割り切って打席に入れている。『違うな』と思ったらバットを振らずに止めることができている」とメンタル面に目を向けた。

 昨季までは外角へのボール球を追いかけて凡退するケースが多かった。朝山打撃コーチも「右投手の曲がり球や、左投手のチェンジアップを(左打者の打席の本塁側にある)ラインまで振ろうとしていた」と振り返る。末包は首脳陣からはストライクゾーンを狭めに設定することを伝えられており、「ゾーンを狭める」、「狙い球を絞る」という割り切る勇気を持てたことが結果につながっている。

 仮に狙い球ではないボールで三振に倒れたとしても大丈夫?そんな問いにも末包は「それは全然大丈夫」と答え、「ボール球を振っての三振が一番ダメ。ストライクゾーンのギリギリでの見逃し三振は正直、『あっちが上だった』と思えるので割り切れる」と揺るがない。頼もしい鯉の4番打者。20日からの本拠地6連戦でもどっしり構えて打球を飛ばす。(デイリースポーツ・畠山賢大)

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