【野球】なぜ?広島が今季から採用する時短練習 新井監督が取り組む“働き方改革”の狙いと効果 黒田球団アドバイザーにも相談

 広島は今季から試合前練習に新たな取り組みを採用している。木曜日まで敵地で試合を行い、週末が本拠地3連戦の場合は金曜日に時短練習を導入。ナイターからデーゲームに移行する土曜日も工夫を凝らしている。首脳陣が施す“働き方改革”の背景に迫った。

 広島は開幕から2週続けて火~木曜は敵地3連戦、金~日曜は本拠地3連戦を戦った。カードが変わる4日は東京から、11日は名古屋から当日移動。通常ならナイターの試合では午後2時からホームチームが練習を行うが、広島は2週続けて投手、野手とも午後3時ごろから始動した。

 新井監督は「移動ゲームの時は、なるべく試合にフォーカスできるように。しっかりと休む時は休む形を取りたかったので、今年からこういう形にしている」と狙いを説明した。11日は、野手はグラウンドでノックのみを実施。打撃練習は球場内のブルペンで打撃投手を相手に汗を流した。

 投手は屋内練習場で調整。昨季、酷暑の夏場に実施した形を今季は春先から採用する。その意図を藤井ヘッドコーチが明かす。「去年やって『イケる』という部分もあって継続しようと。(関東遠征の翌朝は)始発の新幹線で移動する選手がかなり多かった。ダラダラやるのは監督も好きじゃない。(試合前は)ミーティングもあって、選手たちは時間がすごく管理されるからね」

 また、救援陣についても「ナイターでは午後8時ごろの登板になる。それなら遅めに来ればいい」と効率化を推進する。大リーグでは各自が必要な準備をして試合に合わせるスタイルが主流。黒田球団アドバイザーにも相談し、フレキシブルなスタイルに決まった。

 もちろん、早めに球場に来て、打ち込みたいと選手が希望する場合もある。その際は選手が打撃投手などの裏方さんに連絡を取る。選手自身が「自分の時間」をマネジメントできることがメリットだ。

 11日のナイター翌日の土曜は午後2時開始のデーゲーム。野手が午前10時、投手は1時間遅れの同11時から練習を始めた。菊地原投手コーチは現役時代の経験も踏まえながら「ナイター明けのデーゲームが一番しんどい。疲れ、睡眠をしっかり取ってゲームに臨むことがメイン」と説明した。

 リリーフを務める島内は「睡眠時間を取れるし、球場に来たらやるべきことをやって練習を終えるという、メリハリがしっかりしている。すごくやりやすい。球場に来ると気持ちも入るし、気を張っている時間も長くなる。その時間が減るというのも、いいことなんじゃないかなと思う」とプラスに捉えた。

 チームは2週連続で週末に同一カード3連勝。時短練習の効果は徐々に表れている。過去の「当たり前」にとらわれない3年目の新井カープ。柔軟な“働き方改革”で頂点を目指す。(デイリースポーツ・向亮祐)

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