【野球】なぜ関大・金丸は今秋ドラフトの超目玉なのか 7日・欧州代表戦で侍デビュー

 大学生ながら異例の形で侍ジャパンのメンバーとして招集された関大・金丸夢斗投手(3年)。プロ垂ぜんの最速153キロ左腕で無限の可能性を秘めた逸材だ。金丸の名前が早々と今秋ドラフト会議の超目玉として挙がっている理由を追った。

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 プロ入り前に衝撃の侍デビューを果たした。7日の欧州代表戦(京セラ)で先発した関大・金丸。この夜は最速151キロの直球が走り、変化球もさえた。2回を無安打無失点4奪三振の完全投球で周囲の度肝を抜き、投手陣によるパーフェクトリレーという快挙の先陣を導いた。金丸について、6日に日本代表・井端監督が「プロ野球選手が投げるのと変わらず安心して見ていたい」と予告した通りの結果を示した。

 プロ12球団が注目するほどの“プロスペクト”と言っても過言ではないだろう。最速153キロ左腕。今秋ドラフトの超目玉として、既に複数球団が1位指名候補にリストアップしているとみられ、阪神も熱視線を送っている。

 各球団によるドラフト指名候補の投手の中でも評価はダントツだ。西武・潮崎哲也スカウトディレクターは「(投手で)ナンバー1。コントロールが良くて真っすぐが強い」と絶賛する。「真っすぐは(西武の)武内と隅田より強い」。武内(国学院大)は23年のドラフト1位で3球団競合の末、隅田(西日本工大)は21年に同4球団競合の末に、いずれも西武が獲得した即戦力サウスポー。力強い金丸のストレートの評価は、すさまじく高い。

 「体の強さ」にも大きな魅力を感じているのが、巨人・岸敬祐スカウトだ。金丸は大学1年時からマウンドに上がり、ほぼフル回転で躍動してきた。177センチと決して大きくはないボディーに無限の体力を秘める。「体の芯が強くて、体の使い方がうまい」。投球フォームには抜群の安定感がある。「再現性の高いフォームです。(プロで)長いシーズンを戦う上では必要です」と高く評価する。

 金丸のフォームはパワー系というわけではなく、力感も感じさせないオーソドックスなものだが、「出力が出る」と岸スカウト。「東に力感が似ている。かぶる部分があります」。昨季16勝(3敗)を挙げ最多勝と最高勝率を獲得したDeNAのエース・東をほうふつとさせるほどの素材。直球に加えてスライダー、スプリットなどの多彩な変化球も操り、制球力も抜群。既に完成度は高い。岸スカウトは「完成度はまだまだ上がります。伸びしろがあります」と期待を込めて語る。

 12球団から大きな注目を浴びる、無限の可能性を秘めた超の付く逸材。一体、何球団が今秋のドラフト1位で入札することになるのだろうか-。今後の動向を含めて興味は尽きない。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

 ◆金丸 夢斗(かねまる・ゆめと)2003年2月1日生まれ。21歳。兵庫県神戸市出身。177センチ、78キロ。左投げ左打ち。小学1年から広陵少年野球部で野球を始め、広陵中では軟式野球部に所属。神港橘では3年夏の県独自大会で8強。関大では1年秋にリーグ戦初登板。関西学生リーグでは通算19勝2敗で、現在18連勝中。2年秋、3年秋にMVP、ベストナイン。最速は153キロ。変化球はカーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリット。

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