【野球】なぜ?阪神、中日で活躍した遊撃の名手が高校女子野球を本気で指導 「心を動かされた」出来事とは

 神戸国際大付女子硬式野球部を指導する久慈氏(神戸国際大付提供)
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 守備の名手として阪神、中日で活躍し、引退後は阪神の1軍内野守備走塁コーチなどを務めた久慈照嘉氏(54)は現在、高校女子野球の指導に奮闘している。

 久慈氏は1991年度ドラフト2位で阪神に入団。92年に新人王を獲得し、4度オールスターに出場した。98年に中日へ移籍し、2003年から阪神に復帰してリーグ優勝に貢献。05年に自由契約となって引退し、阪神では09~13年、16~22年までコーチを務めた。

 阪神退団後は小中学生を対象に野球教室などで指導。「今までやってきたことを子どもたちに教えていけたらいいと思っていてね。本当にキャッチボールやゴロの捕球とか、基礎の基礎を教えている」と、プロ野球選手を目指す原石の力になっている。

 「心を動かされたね」

 そう振り返るのは、2023年4月に創設されたばかりの神戸国際大付の女子硬式野球部だ。

 2年生1人、1年生11人と若く経験の浅いチーム。知人から一度、見てほしいと言われて夏の大会前に指導に訪れた。その後、コーチに就任し初出場した「第27回全国高等学校女子硬式野球選手権大会」は1回戦・島根中央に2-8で敗戦。その一戦に選手の反骨心を見た。

 敗戦後の2、3日は休養日とされていたが、翌日から数人が練習するため学校に訪れた。その姿を見た赤松監督は久慈氏に連絡。「ビックリした。その気持ちに感動したし、何かを教えてあげたいなと思った」と、コーチとしてこれまで以上に本気で選手らと向き合うことを決断した。

 初めて指導する女子野球。技術面など基本的な指導は変わらないが「自分の娘は育てているけど、野球をやっている女性アスリートをどうやって育てればいいのか」と心配はあった。時には長女・愛さん(18)にも相談。「声をかけられて嫌なことは絶対にないと思うよ」と助言を受けた。

 神戸国際大付女子野球部にまだ専用グラウンドはない。周囲の協力を得て、練習やウエートトレーニングをできる場所を確保している。3月21日に開幕する「第25回記念全国高等学校女子硬式野球選抜大会」では、22日に昨夏ベスト4の駒大苫小牧と初戦を迎える。

 「全国の舞台で勝たせてあげたい」と久慈氏。一人の野球人として、夢に向かうサポートをしていく。(デイリースポーツ・井上慎也)

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