【野球】比類なき捕手3人完成で、番長・三浦監督がDeNAを1998年以来となる3度目のリーグ優勝&日本一に導くのか

 今季こそ三浦采配完成か。球界でも稀な捕手3人で、三浦大輔監督(50)が、DeNAを1998年以来となる3度目のリーグ優勝&日本一に導く。

 昨季のDeNAは一時、ペナント・レースで首位に立ちながら終盤に失速し3位で終了。阪神が17年ぶりにペナント・レースを制覇したことでDeNAは21世紀で唯一、優勝していないチームになってしまった。

 98年のリーグ優勝&日本一では以前に担当記者として取材していたボビー・ローズ氏、石井琢朗現チーフ打撃コーチ、駒田徳広巨人3軍監督らを中心とした「マシンガン打線」が爆発しチームを引っ張った。投手陣も野村弘樹氏、三浦大輔監督、斎藤隆氏の3本柱が開幕から安定した投球を繰り広げ、5月終了時点では貯金3で広島、中日に続く3位につけた。6月16日に行われた阪神戦(静岡)3連戦の初戦で先発した三浦監督が好投し、引き次いだ大魔神・佐々木主浩氏が当時の日本タイ記録に並ぶ16登板連続セーブとなる17セーブ目をあげて阪神に1-0と辛勝。その勢いで同一カード3連勝を含む8連勝で首位に立ち、終わってみれば79勝56敗1引き分け、勝率・585で38年ぶりのリーグ優勝をもぎとった。日本シリーズでも西武を4勝2敗で破り2度目の日本一に輝いている。

 今季も4番・牧秀悟を中心にした「新マシンガン打線」が健在だ。ドラフト1位獲得した社会人ナンバーワン野手・度会隆輝も10日に行われた、プロ初実戦となる紅白戦(宜野湾)で「1番・右翼」で出場。いきなり4打数3安打2打点1四球の鮮烈デビューを果たし、打線はさらに厚みを増している。 問題はカブス入りした今永昇太の穴やトレバー・バウアーと再契約できない場合の先発陣だが、昨季16勝3敗、防御率1・98の好成績を挙げた東克樹は今季も健在だろう。平良拳太郎や石田健大らに大きな期待がかかるが、好投を引き出すのは捕手陣のインサイドワークだと思う。

 98年は当時は後に中日の監督にもなった谷繁元信氏が不動の正捕手として投手陣をリードしてきた。この年、谷繁氏は134試合に出場したが、そのうち捕手としてマスクをかぶったのは実に133試合もあった。ところが今のDeNAは違う。2023年、三浦監督は戸柱恭孝、伊藤光、山本祐大の3捕手を先発投手に合わせて使い分けているからだ。途中交代を含めれば戸柱は57試合、伊藤は56試合、山本は67試合とほぼ均等にマスクをかぶっている。

 捕手は経験がものをいうポジションというのが定説だ。実際、故野村克也氏や古田敦也氏や谷繁氏のように経験豊かな名捕手が常時出場していたチームが好成績を収めてきた例は多い。だが、これまでも実力が拮抗(きっこう)した2捕手を競わせて起用してきたチームはある。正捕手を休ませるために2番手の捕手に試合を任せることもあった。

 捕手3人を使い分ける起用法は画期的だ。1人の捕手で固定するメリットは当然ある、それでも、同一捕手がマスクをかぶり続ければ他球団にリードの癖や傾向を見抜かれる恐れもある。3人制ならそのリスクは分散できる。シーズン終了後に三浦監督の起用法がどんな結果を生むか、注目したい。(デイリースポーツ・今野良彦)

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