【野球】山本由伸と山崎福が抜けたオリックスは4連覇できるのか?評論家は「混パ」を予想「あっと驚くチームが上位に来るかも」

 キャンプインまで約2週間に迫り、各球団の今季戦力図も徐々に固まりつつある。パ・リーグではオリックスがリーグ4連覇に挑み、他の5球団は覇権奪回に躍起になる。2024年のペナントレースは、どんな戦いになるのだろうか。

 4連覇に挑むオリックスは、戦力面でのマイナス要素が大きい。史上初となる3年連続投手4冠を成し遂げた絶対的エース・山本由伸が、ポスティングシステムを利用して、米大リーグ・ドジャースに移籍。昨季自己最多の11勝を挙げた山崎福も国内FA権を行使して日本ハムに移籍した。2人合わせて27勝、294回1/3を投げ、チーム総数の約半分に相当する16個の貯金を生み出した両投手の穴埋めは極めて難しい作業になるだろう。

 阪神OBの中田良弘氏は「27勝の穴埋めは難しい。それでもオリックスには東、山下舜平大らの大器がまだ底を見せていない。あとは中嶋監督の采配が魅力だよね。去年でも4番の吉田正尚が抜けてどうかなと見てたけど、西武から森を補強して優勝した。今年は広島から西川をFAで獲得した。机上の計算では厳しい戦いが予想されるけど、いろんな選手を起用して優勝してきたチームだから、今年も乗り切ってしまうのではと思わせる部分がある」と解説した。

 昨季2位に終わったロッテは昨季本塁打王のポランコが残留し、DeNAからソトが加入した。そして佐々木朗は5年目を迎える。中田氏は「ソトは去年、打ち損じが多かった。でも、巨人から来たポランコが本塁打王になったように、ソトも環境が変わって本塁打王を取った時のような姿を取り戻す可能性がある」とした。投手陣のポイントには佐々木朗希を挙げ、「もう過保護期間は終わり。今年こそローテを1年間守ってもらわないと。彼がどれだけ投げられるかが大きなウエートを占めると思う」と厳しい目を向けた。

 3年連続V逸となる3位に終わったソフトバンクはFAで山川を、巨人からトレードでウオーカーを獲得した。中田氏は「山川は去年あまり試合に出てないけど、あまり関係ないかな。ウオーカーはDHで固定できるようであれば上位は望める。ここ数年は外国人打者で苦しんでるし。投手陣は東浜、大関、石川が貯金を作れなかった。去年と逆の数字にすることが優勝には不可欠」と先発投手陣の奮起を求めた。

 楽天は守護神の松井裕樹が海外FA権を行使して米大リーグ・パドレスに移籍し、則本が守護神を務める。「則本は気持ちを出して向かっていくタイプだから適性はある。楽天のカギはマー君かな」と、昨季7勝11敗、防御率4・91に終わった田中将大の復活に期待した。「去年は真っすぐだけじゃなく、変化球にも力がなかった。ここをどう改善するか。どこまで真っすぐの力、キレを取り戻せるか。テクニックだけではカバーしきれない部分もあるから、今年が試金石になる」と指摘した。

 昨季5位、6位に終わった西武と日本ハムについては「ともに得点力をどこまで上げられるか。お互いに投手陣はある程度計算できるチームだから。均衡した場面での1点、あと1点ほしい場面での決定力。補強した外国人選手がどれだけ数字を残せるかも大事になってくる」とした。

 それでも中田氏は「今年は混戦のパ・リーグになりそうな感じがする。そこで一歩抜け出すカギになりそうなのが外国人選手。去年はロッテのポランコが活躍したけど、その他の球団で際立つ活躍をした外国人選手は少なかったように思う。うまく外国人選手が機能すれば、あっと驚くチームが上位に来る可能性も十分にあるんじゃないかな」との私見を述べた。

 4連覇に挑む王者・オリックス。4年ぶりのチャンピオンフラッグを目指す新生・小久保ホークス。2年連続最下位からの巻き返しを図る契約最終年を迎えた日本ハム・新庄監督。激戦必至の2024年となる。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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