【野球】“純血野球”がトレンドになりつつある今こそ、外国人選手枠を再考する時期かもしれない
“純血野球”がトレンドになりつつあるいまこそ、日本プロ野球界は外国人選手枠を再考する時期かもしれない。
かつては外国人選手は、文字通り助っ人としていなくてはならない存在だった。38年前の阪神一の立役者となったランディ・バース氏や西武の黄金期を支えたオレステス・デストラーデ氏や郭泰源氏などは、チームで確固たる地位を築いた。
だが、最近の日本プロ野球を見る限り、外国人選手にかかるウエートは、それほど重くはない。たとえば阪神とオリックスとの間で繰り広げられた、今年の日本シリーズ初戦では、スタメンに名を連ねたのは7番・一塁のマーウィン・ゴンザレスただ一人。投手もオリックスが3番手でジェイコブ・ワゲスバックを起用したのみで、ほぼ両軍とも“純血選手”で戦った。まさに、外国人選手は助っ人ではなく、チーム内では1個のピースという扱いになっている。
実際、好成績を残してもチームにとどまれない外国人選手も多くなってきた。ロッテ一筋で11年間プレーしたレロン・リー氏や西武で13年にも及ぶ現役生活を続けた郭泰源氏などのような存在はもはや出現しないかもしれない。
日本球界でプレーする外国人選手の枠に関し、日本プロ野球野球協約ではさまざまな規定がある。かつては支配下登録できる外国人選手数は2~3人だったが、96年以降は12球団ともに任意数の外国人選手を70人の支配下選手の範囲内で登録できようになった。それに伴い、投手または野手として同時に登録申請可能なのは最大3人という条件こそあるが、1軍でプレーが可能な出場選手登録人数は4人に増えた。
そのため、各球団は育成枠を含めて大量の外国人選手を獲得。支配下選手枠などを利用しながら、出場選手登録できる4人の外国人をチョイスしようとする。だが、かつてのような少数精鋭でもいいと思う。その分の支配下選手枠を将来性にある若手選手に振り分けでもいいのではないか。
今季、DeNAでプレーしたトレバー・バウアーのような選手を生でみたい野球ファンは多いだろう。しかし、自前で選手を育て上げたペナントを勝ち抜いた阪神やオリックスのようなチームを応援したい人間もいる。そういう意味では、外国人選手に関して、ある種の転換期がきているのかもしれない。(デイリースポーツ・今野良彦)





