【野球】かつての“教え子”安楽の愚行に佐藤義則氏「絶対に許されることではない」

 楽天の安楽智大投手(27)が後輩選手へのパワハラ行為により、保留選手名簿から外れ、自由契約となった。18、19年の楽天投手コーチ時代に、安楽を指導したデイリースポーツ評論家の佐藤義則氏(69)は、かつての“教え子”が起こした問題を「絶対に許されることではない」と断じた。

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 プロの世界で何年も飯を食ってきた、いい大人が、こんなことをやっていたなんて信じられない。やったことも悪質で、訴えられれば犯罪と言われても仕方がない。普通の感覚を持っていればこんなことはしない。だから本人の性格に一番の問題があるのだろう。いずれにしても絶対に許されることではない。

 安楽とは2年間、投手コーチと選手という立場で接した。ちょうど安楽が不振のころで、その前年に米国でダルビッシュと合同トレをしたことで体に筋肉がつきすぎて腕が振れなくなっていた。球のスピードも落ちてしまった。本人から「もう一度、150キロを出したい」と相談されて「余分な筋肉を落とした方がいい」とアドバイスした。話し方もきちんとしていたし、普通の若者という印象だったけどね。

 ただ、長くプロの世界にいると、だんだん後輩が増えてくる。自分も結果が出るようになって、なんでも思い通りになると勘違いしてしまったのかもしれない。反抗しないような選手ばかりをつかまえて、いたずらみたいなことをやっているうちに、どんどんエスカレートしてしまったんじゃないか。約10人が被害を訴えたということだから、日常茶飯事にこういうことをやっていたのだろう。

 田中将が「自分の意識が甘かった。反省しています」というコメントを出していた。パワハラ行為はロッカールームでも行われていたのだから、周りの選手も多少なりとも見聞きしたりして知っていたはず。どうして、その時に年長の選手たちが注意できなかったのか。見て見ぬふりをしていたのかどうかは分からないけど、周りにも問題がある。田中将のコメントを読んで、残念に感じた。

 球団は安楽を自由契約にして、来季の契約を結ばないということだけど、当然の措置だろう。本人は謝罪の気持ちを持っていて、とても反省しているということだが、実際に心に傷を負った被害者が何人もいるわけで、謝って簡単に済む話ではない。

 再来年以降、“みそぎ”が済めば、みたいな話も出てくるかもしれないけど、こういう問題を起こした選手というのは、楽天も含めてどこのチームも契約するのは二の足を踏むんじゃないかな。ブランクだったり、年齢的なこともあるし、やっぱり今の時代、ハラスメントは特に厳しい目で見られるので、チームにとってはマイナスのイメージしかない。つい2年前にも中田の暴行問題があったばかり。こういうことが球界で二度と起こらないことを願うばかりだ。

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