【野球】今、思い出す清原和博氏の甲子園での投球 清原ブランドは決して色あせない

 「全国高校野球選手権」が6日、甲子園球場で開幕した。第1日の第3試合では夏連覇を狙う仙台育英(宮城)が浦和学院(埼玉)との打撃戦を制して勝利。地方大会を勝ち抜いた49校が頂点を目指し、熱戦を繰り広げている。

 高校通算140本塁打を誇る花巻東(岩手)の佐々木麟太郎(3年)ら注目を浴びる選手も多いが、第6日(11日)の第3試合に出場する慶応の清原勝児内野手(2年)の存在も高校野球ファンの間では話題となるだろう。なぜなら、勝児内野手の父・清原和博氏(55)は西武や巨人で大活躍した選手だが、高校球界のレジェンドともいえる存在だからだ。和博氏は巨人の桑田真澄ファーム総監督(55)とともにPL学園(大阪)時代に大活躍。5季連続出場を果たすと、春夏通じて優勝2度、準優勝2度に貢献し、個人としても史上最多の通算13本塁打を放っている。

 私は若手記者時代、高校野球取材班の一員として和博氏の甲子園での本塁打を何本も見てきた。その後、西武や巨人担当としても和博氏が本塁打を放つ姿を目撃して取材し、原稿に書いてもきた思い出ある選手だ。

 印象に残っていることがある。和博氏は聖地・甲子園で2度投打二刀流を披露して球場を沸かせたが、その2試合とも生で目撃している。最初1985年春に行われた「選抜高校野球」の浜松商(静岡)戦だった。八回1死満塁の場面で3番手として登場。ファーストミットからグラブに持ち替え、試合終了まで打者5人を完璧に封じてた。特に九回一死からは「練習したことはないけど、手が大きいから投げられる」と、本人が振り返った魔球・ナックルボールも駆使し連続三振を奪った。

 打っても五回に選抜通算4本目、春夏通じて通算8本目となる本塁打を放ち、PL学園の選抜25勝目、春夏合わせ甲子園通算50勝目を挙げる立役者となった。まさにエンゼルス・大谷翔平(29)も真っ青な二刀流での大活躍だった。

 2度目は同年夏の「全国高校野球選手権」だった。8月14日の東海大山形(山形)戦でPL学園の打線が大爆発。32安打の猛攻で29点を挙げて29-7で大勝した試合でも九回に4番手としてマウンドに上がった。「投球練習もしてなかったからびっくりしたよ」と振り返ったものの、打者4人に対し計17球。2者連続押し出し四球を与えたが1三振を奪い、なんとか試合を締めくくった。

 結果はいまひとつだったかもしれないが、ネット裏に陣取っていた各球団のスカウトたちが色めきたった。当時、出始めたばかりのスピードガンで球速を測定し「140キロを超えていた」と驚いていたスカウトの話を覚えている。

 背番号15の勝児内野手はベンチスタートが濃厚だが「清原ブランド」は、決して色あせてはいない。(デイリースポーツ・今野良彦)

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