【野球】引退発表のビドルへ 友人のオリックス・ワゲスパックがメッセージ「彼の才能を生かして、これからに繋げていってほしい」
昨季までオリックスに在籍したジェシー・ビドル投手が3日、自身のインスタグラムで現役引退を発表した。31歳での引退表明。元同僚のワゲスパックが遠征先の名古屋からメッセージを送った。
同じユニホームでリーグ優勝&日本一を達成した2人。同時期に1軍へ帯同する時間も多く、数少ない助っ人として積極的にコミュニケーションを取っていた。SNSにも2ショットの写真を投稿するなど、チームメートでもあり、友人。ワゲスパックは引退について「知っていたよ」と思いを打ち明けた。
終始、暗い表情はない。友人の決断を尊重し、背中を押すようだった。
「引退は引退だけど、次の準備ができていた人。賢い人だったし、これから次のステップに行くんじゃないかと思っているよ」
1年間接してきたからこそ、わかる。「彼の才能を生かして、次につなげていってほしい」。決して、後ろ向きな決断ではないこと。必ず、これからの人生で成功を収めると信じ切っていた。
「今でもすごく仲が良くて、日本でも友達として距離は近かったんだ」
昨季を振り返れば、当初は先発・ワゲスパックで中継ぎ・ビドル。その起用が中盤以降は逆転していた。前半のリリーフ陣をビドルが助け、後半はワゲスパックが救う。2人ともリーグ優勝に貢献した。
「彼が自分で決めたことに対して、喜んでいるのであればうれしいことだね」。こう締めくくり、思いを明かした。ビドルの引退投稿には「Aishiteru」と返信。取材が終わると、「彼も彼の奥さんもすごいいい人だから」と言い残して、バスに乗り込んだ。
ビドルは昨季、35試合に登板して4勝5敗、防御率4・02の成績を残した。昨オフに退団し、ダイヤモンドバックスとマイナー契約を結んでいた。3Aレノに所属したものの8試合で防御率14・29と打ち込まれ、米国時間5月2日にフリーエージェントとなっていた。
以下、ビドルの引退報告。
「親愛なるベースボールへ」
今日、私は現役引退を表明したいと思います。
私たちはいい経験をしてきましたよね?
サヨナラを言うのはあまり得意ではないので他の言葉で言わせてほしい。ごめんなさい、この13年間、不安やストレス、心の傷をあなたのせいにしてきたけど、あなたのせいではないことは分かっています。あなたはそういうふうにつくられているのです。
あなたは人生そのものです。人生には失敗はつきものであり、失敗はあなたのマニュアルの1ページ目に書かれている。私たち野球選手は直面する苦難が回復力を高めてくれる。4回のエラーは9回のダイビングキャッチをより素晴らしいものにする。
だから、何度も何度も失敗することを許してくれてありがとうと言わせてください。それがあったから成功の意義はより大きなものになりました。あなたは絶対に見ることができなかったであろう景色を私に見せてくれたし、私を変えてくれた人たちに出会わせてくれた。そして、子どもの頃の夢を叶える力を与えてもくれた。この13年間、偉大さと美しさを間近で見ることができ、時には私自身もその味を知ることさえもできた。
「ベースボールくらいで泣くな」という言葉を私は知っています。でも、サヨナラを言う今日はベースボールのことで泣いてもいいと思います。
愛を込めて。
(デイリースポーツ・今西大翔)