【野球】現役最高打率ヒッターが語る月間MVP右腕の凄み

 3回、青木(後方左)を併殺打に打ち取る村上=9日、甲子園(撮影・中田匡峻)
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 NPBが11日、3、4月の「大樹生命月間MVP賞」を発表し、阪神・村上頌樹投手がセ・リーグ投手部門で初選出された。

 最大のインパクトは4月12日・巨人戦での7回パーフェクトだがそれ以降も安定のパフォーマンスを続け、3、4月は中継ぎ1試合を含む4試合で2勝0敗。25イニング連続無失点で防御率は0・00。2勝1ホールドを挙げる活躍で文句なしの受賞となった。

 開幕ローテ入りを逃した村上だが、4月1日のDeNA戦で先発秋山降板後に中継ぎ登板し、1回無失点。同12日の巨人戦で今季初先発し、7回完全投球。全国に「阪神村上」の名を売った。

 5月は、9日のヤクルト戦(甲子園)で7回1失点。6回まで無失点に抑え、2リーグ制後のセ・リーグ記録に並ぶ「開幕後31イニング連続無失点」に到達。球団史にその名を刻んだ。

 村上は月間MVP受賞の会見で「まだまだ覚えてくださっている方は少ないと思いますけど、これから皆さんに覚えられるように頑張っていくので、応援よろしくお願いします」と謙虚にコメントしたが、対戦した各球団の打者には、覚えてもらうどころか、すでに強烈な印象を植え付けている。

 そのひとり、現役(4000打数以上)の通算最高打率ヒッター青木宣親(ヤクルト)に「阪神村上」について聞いてみた。青木は9日の対戦(甲子園)で村上の真っすぐを安打し、4月29日の対戦(神宮)でも同じく真っすぐを打っている(中前打)。

 「いいピッチャーです。コントロールがいい。ボールの質もいいし、球威もあるんだけど、とにかく、コントロールがいいんですよ」

 対戦した何人かの打者に聞けば、厄介なのは「真っスラ」だというが、青木は「それも当然あるんだけど、それだけじゃない。他の変化球もいい。でも(村上が好投手である)一番はやっぱりコントールじゃないかな」。

 フライアウトピッチャーといわれる通り、9日の対戦ではヤクルト打線から9つのフライアウトを奪った。青木は村上から今季2本目のヒットを放ったわけだが、今後の対戦も苦労しそうか。

 「まだ、何とも言えない。こちらとしても色んな対策を立ててやりますけどね。対戦の機会が増えていけば、バッターが優位になるという考え方もあるけど、当然、ピッチャーも対戦を重ねれば(打者の)穴が分かってきたり、いろいろあるんでね。というか、彼が昨年までファームで2年間やっていたというのは信じられないです」

 巨人戦で7回パーフェクトの快投。やはり、あのマウンドで自信をつけたようだが。

 「それは、あることですよね。若い選手にとってはやっぱり自信ってすごく大切なことですから。僕らでも自信になるプレーって、いまだにあることですから」

 まだプロ2勝だが、球界随一のヒットメーカーが認める制球力は、これからも対戦打者を唸らせそうだ。

(デイリースポーツ・吉田 風)

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