【野球】巨人は独走ヤクルトを止められるか 昨年の勝ち頭・高橋優貴の復活がカギ

 巨人は独走状態のヤクルトを止められるか。昨年の勝ち頭・高橋優貴(25)の復活がカギを握る。

 昨年、日本一に輝いた高津ヤクルトの快進撃が止まらない。12日に終わったセ・パ交流戦ではセ・リーグ最高勝率・778で完全優勝を飾ったばかり。17日からリーグ戦が再開されるが62試合を消化した時点で40勝21敗1引き分け、貯金19で2位・巨人に7ゲーム差をつけている状態だ。昨季は最終盤まで熾烈(しれつ)な優勝争いを繰り広げていたが、今年はこのまま突っ走っても不思議ではない。

 ただ、他の5球団の指揮官たちも手はこまねいてはいないだろう。首位から引きずり下ろす方策を再開までの4日間を使い、打倒ヤクルトに向けてのプランを練り直してくるのは間違いない。

 現時点での成績を考えれば、打倒ヤクルトの1番手は原巨人だ。交流戦では8勝10敗の10位に沈んだが、なんとか36勝31敗、貯金5でセ・リーグ2位に踏みとどまった。

 シーズン開幕当初、一時は首位街道を走っていた巨人が、ここまで苦しんでいるのは菅野智之(32)や坂本勇人(33)ら主力組が故障で離脱時期があったことも大きい。だが、最大の誤算は投手陣だろう。チーム防御率3・58はセ・リーグ4位だが、両リーグでは10位。272失点は両リーグ最多で、1試合平均の失点は4・059は12球団中で下から2番目の数字だ。

 要因のひとつは、今季左のエースとして期待されていた高橋優貴だ。昨季は開幕からローテーション入りして5連勝。セ・リーグトップとなる26試合に先発してチームトップの11勝(9敗)、防御率3・39の好成績を挙げた。だが、今年は1軍と2軍を往復する日々が続いており、1軍では8試合に登板して1勝4敗、防御率4・82と原辰徳監督(63)の期待を裏切る成績しか残せていない。

 昨季リーグワーストとなる61四球を与えた制球難の修正に、春季キャンプから乗り出してた。だが、改善傾向になく不振を招いたが、最近では四死球こそあるが、粘りの投球で徐々に調子を上げている。6月5日のイースタン・リーグ公式戦、楽天-巨人(南三陸)では4四死球こそ与えたが、6回を投げて4四死球ながら5安打4奪三振で2失点。12日のイースタン・リーグ公式戦、巨人-日本ハム(ジャイアンツ)でも、3四死球はあったが5回4安打無失点で終えた。

 今季の巨人はヤクルトに4勝5敗、阪神には5勝7敗と負け越している。その阪神に対して昨季の高橋優貴は5戦4勝、防御率1・40とキラーぶりを発揮した。今季、阪神戦で苦戦しているのは彼の不調も大きい。

 高橋優貴が昨年並みの投球を取り戻せば、菅野、戸郷翔征(22)、クリストファー・メルセデス(28)に続く4本目の柱となり、反撃への大きな武器となる。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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