【野球】キャンプ取材の直前まで届かぬPCR結果 記者の“同姓同名”の人と取り違え

 コロナが来てから、もう2度目の春-。2月1日から始まったプロ野球春季キャンプ。選手に感染者が出つつも、各球団が対策を講じながら行われている。

 もちろん、感染対策が必要なのは報道陣も同じ。当日の検温、陰性証明書提示、取材後の行動記録表提出などが必要になる。計算してみたら3日に1度PCR検査を受けなければならない。沖縄入りしてから3度受検。ようやく慣れてきた。

 PCR検査-。アクシデントに見舞われたのは、1月末のこと。1月30日の日本ハムの沖縄入りに備えて、28日に都内の某検査センターで受検。29日には判定が出るはずだった。

 それなのに…。陽性だったら?なんて、ドキドキしながら何度もスマホをチェックしたが、届くはずの検査結果メールは届かない。21時頃「問い合わせメール」なるものを送信したが、無反応。「イ・ン・セ・イのサイン」は届かないまま日付は変わった。

 30日。寝覚めの悪いままメールをチェックしたが、やはり未着。仕事に穴を空けるワケにはいかない。前夜から色々調べていたが、即日に結果を出してくれる機関は全て予約でいっぱい。検査してくれる薬局に開店前に行っても入り口に「検査キットは品切れです」というつれない張り紙…。八方ふさがり。

 残された手段は、2日前に行った検査場で、確認してもらうしかない。飛行機の時間を考慮したら、家には戻れない。長期出張用の荷物を詰めた、大きなトランクを転がしながら、羽田空港と逆方向に向かう電車に乗った。

 検査場はオープンの午前10時から10人ほど並んでいた。受付で結果が来ない旨を説明すると、奥から白衣を着たその現場のトップらしき人がやってきた。

 名前と受けた日時を聞かれた。28日、予約した時間より30分早く着いたが、空いていたので検査したことを伝えた。

 白衣の彼はカーテンの向こう側へ。10分ほど待って現れた彼は、さらに問われた受付番号など細かい情報を伝えると、またカーテンの向こう側へ戻った。

 さらに10分ほど待った。3度目に現れた白衣の彼の表情は、少し得意げに見えた。「昨日16時頃に検査結果を送っています。ちなみに陰性でした」。メールは何十回もチェックしている。ありえない。届いていない旨を伝え、問う。「送信したメールアドレスにミスがあったのでは?」。

 白衣の彼はiPadを持ち出し、その日に通知した人の一覧が記載されているページを開く。「ほら、ここに送信記録が…」

 そこには確かに自分の名前が。ただ、よく見たら、その下に女性の名が書いてあり、検査結果はその女性のアドレスに通知されていた。誰?そして、よくよく見たら自分の名前の横の年齢を記す欄に「4」とあった。

 「オレ、4歳じゃないです」。苦笑いして伝えると、驚いた表情の白衣の彼は三たびカーテンの奥へ。さらにさらに10分ほど待つ。

 すべてが着地した。今度は申し訳なさそうな顔をして現れた。

 「30分ほど早くいらっしゃったところ、偶然その時間に同姓同名の方が予約をしていました。その方は検査をしていなかったんですが、こちらの不手際で同姓同名の方が検査をしたことになってしまった」

 そんな偶然ってあるのか!。逆に驚いた。陰性証明書の確約を得て、ほっとして羽田空港へ向かった。

 今ではPCR検査も手慣れたもの。カイシャからも会食禁止令が発布される中、ホテルでオリンピック中継を見ながら、スーパーで買った総菜をサカナに、泡盛ウコン茶割りをちびちび飲む毎晩。感染対策もバッチリ。今朝も自信満々で検査キットを郵送したのであった。(デイリースポーツ・鈴木創太)

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