【野球】ロッテ育成・小沼の挑戦 阪神“アルバイト”から支配下へ

 昨季、盗塁王を獲得した和田、プロ初勝利を挙げた本前ら育成選手から支配下登録されて活躍する選手が多いロッテ。現在、支配下登録を目指し、石垣島A組(1軍)キャンプで奮闘している選手が背番号「121」の小沼健太投手(23)だ。

 昨季イースタン・リーグのセーブ王右腕は育成投手で今キャンプ唯一、A組スタートを勝ち取った。19、20年の阪神・宜野座キャンプで打撃投手のアルバイトを経験した猛虎打線を1軍の試合で封じることを目標のひとつに支配下登録を目指している。

 150キロ台の伸びのある直球が持ち味の右腕は昨季、イースタン・リーグでのセーブシチュエーションでは失敗がなかった。が、ファーム日本選手権阪神戦で初めて失敗した。「すごく悔しかった」。BCリーグ茨城時代、宜野座キャンプで打撃投手のアルバイトをして、気持ちよく打たせようと投げていた阪神の打者と真剣勝負での対峙(たいじ)。抑える立場となり少し力が入ってしまった。「当時、バッティングピッチャーとして投げてる選手ばかりで変な意識をしてしまいました。先頭の高山さんにいきなり打たれて『しまった』って感じでした」。自分の投球ができずに落胆したが「いい経験はできたなと思います」と失敗を糧に今後につなげると誓う。タイガースのファームマネジャーからも「次は打たれないように頑張れよ」と電話ももらい、不思議な感じがした。

 抑えはチームの勝敗を背負うことになる厳しいポジションと改めて知らされた。「1軍で経験するために、2軍で失敗するんだからとコーチの方々に言われました。気持ちの切り替えはできました」。

 2年目のキャンプはよりよいパフォーマンスを発揮するようにと、体のケアに昨年以上に気にかけるようになった。練習後の宿舎ではヨガを行うことを日課としている。「体が硬いのもあるので、田村さん、佐藤都志也さんと『ヨガ部』を結成して、しっかりやってます」。

 プロの水にも慣れてきた。昨年以上に球速も伸び、手応えがつかみつつある。「強い真っすぐだけですね。長所は長所でひとつの魅力を出せていけたら。練習試合でも対外試合でも見せたい」。交流戦でタイガース打線を相手に昨年のリベンジを果たし「マネジャーさんから『今度は抑えたな』という連絡がくるように、頑張りたいです」。今季、大きな目標へ向かって全力で直球を投げ込む。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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